京都「しょうざん」お試しおせちの内容と食べてみた感想[体験レビュー]
京都「しょうざん」は、35,000坪の広大な敷地に、庭園やレストランが佇むリゾート施設。中でも料亭「千寿閣」は、本格的京懐石がいただけることで人気があります。オンラインショップで冷蔵・冷凍おせちを販売しているほか、楽天市場やAmazonでも冷凍おせちの購入が可能です。
これまで4つのお試しおせちを食べて来ましたが、これまでのおせちに入っていなかった筍の煮物が入っていたこと、料亭おせちを食べてみたかったことから、追加で試してみることにしました。
お試しおせちは送料無料で2,160円。ほとんどのお試しおせちは送料がおせち以上に高いので、合計金額ではそれほど差がありません。実際に食べてみた感想を画像とともにご紹介します。
京都「しょうざん」お試しおせち注文から到着まで
2017年のお試しおせちのお届け期間は、10月24日~11月26日までで、10月24日から順次お届けとなっています。
今回は11月2日に注文のお昼頃注文したところ、夕方には確認のメールが届きました。11月7日に発送を知らせるメールがあり、届いたのは翌日です。
クール便(冷凍)で届いたおせちは、今回頼んだお試しおせちの中でも特に小さい段ボール箱に入っていました。「ビストロおせち」の箱とちょうど同じくらいの大きさです。
開けてみると、解凍方法を書いた紙が目に入り、取り除くと不織布の風呂敷に包まれたおせちが入っています。高級なお花見弁当、と言った感じでしょうか。段ボールはおせちにジャストサイズですね。
風呂敷を広げてみると、お持ち帰り寿司や駅弁を思わせるお重が。おせちはカチカチに凍っています。
同梱されているのは、1枚の説明書のみで、解凍方法と品名・内容量・原材料名・アレルギー物質が記載されています。無駄なものが一切入っておらず、必要なことはしっかり記載されているのはいいですね。
これまでのお試しおせち同様、前日に冷蔵庫に入れ、今回は30分ほど室温に戻してから試食の開始です。
入っているメニューと食べてみた感想
京都「しょうざん」お試しおせちに入っているのは次の14品です。
今回試したおせちの中では、博多久松に次ぐ品数です。食べてみた感想をひとつずつ食べた順番にご紹介します。
1.鰆幽庵焼
噛んだ瞬間「ぐじゅっ」とした気がしました。冷凍だからでしょうか。味付けはやや濃い目ですが、ゆずの香りはしっかり感じられます。焼き物の香ばしさがないのは残念ですね。
4.紅かまぼこ
お重から取り出した時、水気が出ているような気がしました。しこしこ感はあるものの、弾力は感じられません。外側は乾燥して硬くなっています。味は良いと思いますが、明らかに冷凍によって劣化しています。塩気の効いたお味です。
2.合鴨スモーク串
これも水気が出ています。スモーク感や鴨の味自体は良いと思うのですが、ややスカスカしており、明らかに食感が損なわれていると感じました。
3.味付焼筍
最初の一切れは筍(たけのこ)の食感が全く感じられず、とてもやわらかい仕上がりで、残りの一つは筍らしい食感が残っている感じでした。やわらかい方は筋っぽさが全くないので、お年寄りはむしろ食べやすいかも知れませんね。お味の方は上品な薄味で、とてもよいと思いました。
5.伊達巻
魚のすり身の味がしっかりします。香ばしい感じがあり、ふわふわして普通においしいです。市販の伊達巻にありがちな甘ったるい感じがないのはいいですね。
6.海老の旨煮
薄味でえびの食感がしっかり残っていて、おいしくいただきました。これまでの料理は「冷凍」感が否めなかったのに対し、これはあまり冷凍を感じませんでした。
7.一口昆布巻
やや塩気の効いた味付けで、甘ったるくないのでおつまみにもぴったりです。昆布の歯ごたえもいいですね。これまで食べたことの無い昆布巻きだと思いました。大人向けの味です。
11.味付数の子
数の子本来のプチプチした食感が感じられてGOOD!かなり薄い味付けで、個人的には物足りない気もしました。
12.金柑甘露煮
金柑の皮のさわやかさがうれしい一品。甘ったるくないのもいいですね。ただ、種がちょっと苦いかも… そう言うものなのでしょうか?
13.いくら醤油漬
14.紅白まなす
なますの大根は、切り干し大根か「たくあん」みたいな食感で、歯触りはあるものの漬物みたいな感じです。かなり塩気の効いたお味ですが、日向夏のさわかやさはしっかり感じられます。
いくらは醤油漬けと言う感じはなく、なくてもいいとも思いますが、なかったら本当に漬物みたいになってしまう気もします。
10.黒豆金箔
上品な味付けと皺ひとつないふっくらとした煮上がりはさすが!お豆の味がしっかり感じられるのは素晴らしいですね。冷凍を全く感じさせない仕上りで、個人的にはこのおせちの中で一番おいしいと思いました。
8.栗甘露煮
9.きんとん
きんとんは見た目ほど甘ったるくなく、このくらいの甘さならおいしく食べられますね。お味はいいと思います。でも、お芋の量は少ないように感じました。栗の甘露煮は普通においしいです。
京都「しょうざん」お試しおせち 総評
これまで5つのお試しおせちを食べて来ましたが、もし最初にこのおせちを食べていたら「冷凍おせちは買わない!」と思っていたと思います。どのおせちも同じ条件で解凍しているので、解凍で風味・食感が落ちたと言うよりも、冷凍方法の違いに原因がある気がします。冷凍のデメリットがそのまま出ている感じです。
冷凍で食感が損なわれることで有名な食材「かまぼこ」で比べてみると、博多久松のかまぼこは多少食感が落ちている感じはあったものの、プリプリ感は残っていて許容範囲だと感じたのに対し、京都「しょうざん」のかまぼこは、外側が硬くなっていて中はスカスカ… 「これならない方がいい」と思うほどでした。
また、他のおせちには入っておらず、今回ぜひ試してみたいと思っていた筍(たけのこ)は、ふたつのうちのひとつは本来の食感がまったく感じられなかったものの、柔らかくて食べやすいので、この点をどう考えるかは微妙な気がします。ただ、もうひとつは本来の食感が残っていたので、仕上がりにバラつきがあるのかも知れないですね。
味付けは好みがあるでしょうが、全体的に塩気のしっかり効いた大人向けの味付けです。冷酒のお供にはぴったりですね。市販品にありがちな甘ったるい感じがないのは高評価。味付け自体は良いと思うのですが、何しろ食感が落ちてしまっているので、おいしいと思えないのは残念でした。
ひとつ気になったのが、解凍した状態で「水気が出ていた」こと。食べ終わったおせちの箱の下に、ほんの少しですが水がたまっていました。鰆やかまぼこなどは取り出した瞬間、水がしたたり落ちるような感触があったので、そのせいかなとも思います。他のおせちではなかったことなので気になりました。
これまでに試した冷凍の「お試しおせち」はもちろん、イタリアンレストランの冷凍ディナーなども、「これが冷凍!?」と思うほどで、知らなければ冷凍と気づかない仕上りだったため、今回のおせちはちょっとがっかりな感じ。味付けはとてもよく、特に黒豆や昆布巻きは「また食べたい」と思うほどおいしかっただけに残念です。冷凍おせちを頼むなら、専用の設備とノウハウを持ったショップのものをおすすめします。