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元号とは?意味・由来から決め方までわかりやすく!

日本では年代を表すのに西暦だけでなく元号が使われることも多いですよね。昭和天皇が崩御されて昭和の時代は終わり、元号は平成へと変わりました。そして今上天皇は2019年に退位して皇太子殿下が即位されるため、新しい元号に変わろうとしています。

西暦は変わることがないのにどうして元号は改められるのでしょうか?新しい元号はどのようにして決められるのか、これまでの元号はどういう理由があって決まったのかなど、元号がそろそろ変わろうとしている今、元号について改めて考えました。

元号とは


元号とは特定の「年」につけられる称号を指します。古くは王が即位してから年が数えられていましたが、一定の起算点を定めて年数が数えられる方法が考えられました。元号が使用され始めたのは、中国の前漢の武帝のときです。その後、近隣諸国で使われ始めた元号が日本でも使われるようになったのは飛鳥時代のことで、最初の元号は「大化」でした。アジア東部で広く使われていた元号ですが、徐々に使われなくなり、今もなお元号が採用されている国は日本だけです。

現在の元号は昭和54年に成立した元号法によって定められています。元号法によると、元号は皇位の継承があった場合に限り改めるとされており、一世一元の制と書かれています。

元号は年号と言われることもあります。ほとんどの場合は同じように使われますが、たとえば平成30年の場合に「平成」を元号、「30年」を年号と言ったり、西暦を年号、和暦を元号と呼ぶ場合もあるので注意が必要です。

改元の理由


元号を改めることを「改元」と言います。改元を行う理由は、国家の繁栄と民の平安を願うことにあります。元号は紀年法の一つです。現在は元号法によって一世一元の制、つまり天皇が皇位を継承するときに限り改められることになっていますが、明治時代より前は一人の天皇のうちに何度も改められることもありました。以前は、天皇が即位するとき以外に、大地震や火災、天変地異が起きたとき、または疫病が流行したときも元号が改められていたのです。

大化から数えると平成まで元号の数は247もあります。大化から数えて現在までの間に247個あるということは、だいたい5年ぐらいで次の元号に変わっていたという計算です。天皇が即位するとき以外に大地震や火災、天変地異や疫病の流行でも改元が行われていたということを考えると、いかに昔は災害が多かったかということがわかりますね。

元号の決め方

天皇一代につき一元号とする一世一元の制は、慶応から明治への改元とともに「一世一元の詔(みことのり)」によって定められたものです。詔とは天皇のお言葉のことで、昭和54年に元号法が成立するまでの間は、一世一元は法律ではなく天皇の意思によるものでした。

新元号の決め方については特に具体的には定められていませんが、選定条件はあります。国民の理想にふさわしい良い意味を持つ言葉であること、漢字2文字で作られていること、これまでに元号や送り仮名として用いられていないこと、俗用されていないこと、そして書きやすく読みやすいものというのが選定条件です。

現在は、最初に内閣総理大臣が中国の古典をよく知っている有職者や研究者に候補名を考えてもらうように依頼し、候補名が出てから選定条件に合せて絞り込み、最後に閣議で議論して最終的に決まるという流れになっています。

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元号の由来

明治

明治は、五経の一つ易経にある「聖人南面而聴天下、嚮明而治」と言う言葉より取られました。「聖人南面して天下を聴き、『明』に嚮ひて(むかいて)『治』む」とは「聖人が北極星のように顔を南に向けてとどまることを知れば、天下は明るい方向に向かって治まる」という意味です。南を向いて天下を聴くのは聖人、つまり天子である天皇ですから、明治と言う元号は武家の時代から王朝の世が始まったことを表現しています。

大正

大正も明治と同じく易経にある「大亨以正、天之道也」が由来です。「『大』いに亨(とほ)りて以て『正』しきは、天の道なり」とは「天が民の言葉を嘉納し、政が正しく行われる」という意味になります。

昭和

昭和は明治から平成の中でもっとも長かった元号です。昭和は五経の一つで中国最古の歴史書である書経から採用されました。それが「百姓昭明、協和萬邦」と言う言葉です。これは、「百姓昭明(ひゃくせいしょうめい)にして、萬邦(ばんぽう)を協和(きょうわ)す」とは「人々が徳を明らかにすることで心を合わせ、世界の人々がみんな仲良く平和に暮らせますように」という意味になります。

昭和の元号には、世界すべてが共存し繁栄しますように、という願いが込められていたようです。

平成

現在の元号である平成は史記と書経と言うふたつの書物に由来しています。史記の「内平かに外成る」そして書経の「地平から天成る」の2つから名付けられた平成には、「内外、天地とも平和が達成される」つまり、国内だけでなく世界中が平和になりますように、という願いが込められています。

昭和の時代にはすでに次の元号について検討が始められていましたが、平成は3つの候補のうちの1つでした。平成の他に候補に上がっていたのは「正化(せいか)」と「修文(しゅうぶん)」です。その中から平成が選ばれた理由の一つに、元号をアルファベットにしたときの頭文字があります。

役所などで書類を書くときに、日付の元号が簡略化されてアルファベットの頭文字であるM、T、Sと表されることがあります。平成はHですからアルファベットがだぶることはありませんが、「正化(せいか)」や「修文(しゅうぶん)」の場合は頭文字が昭和と同じSとなってしまいます。それを避けるためというものが、「平成」が選ばれた一つの理由です。

新しい時代に期待を込めて

2019年5月1日には平成から改元され、新しい元号が始まります。次の元号にはどのような意味が込められるのでしょうか。

平成には東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨など天災が多かったことから、「安」と言う漢字を使った元号を期待する声も多いようです。新しい元号の発表は2019年4月1日以降だと言われています。新しい時代への期待を込めて、発表を待ちたいですね。

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