【処暑とは】意味・由来からおすすめの食べ物・伝統行事まで

暑い日が続くと「一体いつになったら夏が終わるの?」とカレンダーを見ながらため息をつく人も多いのではないでしょうか?

カレンダーには季節を表す言葉が書かれていることがありますが、「処暑」もそんな言葉のひとつです。「暑い」と言う文字が入っていますが、処暑とはどんな時期なのでしょうか?行事や食べ物など、過ごし方についてもまとめました。

処暑(しょしょ)とは

処暑は一年を二十四の季節に分けた二十四節気のひとつです。処暑の「処」には「止まる」という意味があります。ですから、処暑とは、暑さが止まる、つまり暑さがおさまる時期という意味になります。

処暑は台風シーズン

処暑の時期は台風がよく来る台風シーズンだと言われています。中でも特に台風の起きやすい台風特異日とされているのが、二百十日、そして二百二十日です。これらは立春から数えた日数をあらわし、二百十日は9月1日頃、二百二十日は9月11日頃となります。

実際にこの時期に台風が多いかというと、統計的には8月下旬や9月下旬と比べてそれほど多いとは言えません。昔は月の満ち欠けをもとに作った旧暦が使われていたため、現在の太陽暦とは少しずれがあるからではないか、と言われています。とは言え、この時期には台風でなくても天候が変わりやすく激しい夕立や強い風が吹くこともあります。雨、風に備えて、折りたたみの傘を持ち歩くのがおすすめです。

「送南風(おくれまぜ)」

処暑の頃に吹く風は「送南風(おくれまぜ)」と呼ばれています。これはお盆が終わった後に吹く南風です。

お盆の時期に精霊を迎えるために吹く風のことを「盆東風(ぼんごち)」といいます。「盆東風(ぼんごち)」によって迎え入れられた精霊は、お盆が終わった後にまた天へと帰っていきます。精霊たちを見送る風が、処暑の時期に吹く「送南風(おくれまぜ)」です。精霊たちを見送る送南風(おくれまぜ)」は、やさしさと寂しさを感じさせます。

二十四節気は、一つひとつをさらに3つに分け、「七十二候」(しちじゅうにこう)で表すことができます。処暑は七十二候で表すと次の3つにわけられます。

初候 綿柎開(めんぷ ひらく)

綿柎開(めんぷ ひらく)とは、綿花がのぞく時期という意味です。綿花とは綿の実がはじけて綿が出てきた状態です。「柎」とは花をつつむガクのことを指します。そのガクがはじけてぱちんと開き、中からふわふわした白い綿が顔を出すのです。その瞬間を見ることができれば、感動ですね。

次候 天地始粛(てんち はじめて しじむ(しゅくす))

天地始粛(てんち はじめて しじむ(しゅくす))とは、秋の始まりを意味する言葉です。「粛」はしずまる、または弱まるという意味があります。天地がしずまる、つまり夏の暑さは落ち着いて、万物が改まり秋の訪れが感じられる時期です。平野部ではまだ暑い日が続いていますが、夏は終りを迎えて秋はもう目の前まで来ています。

末候 禾乃登(か すなわち みのる)

「禾」とは粟の穂がたわわに実った様子をかたどった漢字で、粟だけでなく、稲や麦、稗など穀物すべてをあわせて「禾」と呼びます。禾乃登とは、穀物が実りの時期を迎えたということを表す言葉です。

この時期になれば、これまで青々としていた水田も金色に染まり、収穫の時期を迎えます。美味しい新米が食べられるようになり、いよいよ季節は夏から秋へと変わります。

処暑はいつ?2019年は?

処暑の日はだいたい毎年8月23日頃と決まっていますが、年によって前後することもあります。2019年の処暑の日は8月23日です。

処暑という場合、処暑の始まる8月23日のことを指すこともあれば、二十四節気で次の季節に当たる白露の始まる前日までを指すこともあります。2019年の白露が始まるのは9月8日ですから、処暑の期間は8月23日から9月7日までの15日間となります。

処暑の行事

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処暑には全国各地でさまざまな行事が行われます。

地蔵盆

地蔵盆は、地蔵菩薩の縁日を中心に、8月23日、24日に行われることの多い行事です。地域によっては、人が集まりやすいように、その前後の土日に行われたり、2日の行事を1日で行うこともあります。地蔵盆は京都に始まり、近畿を中心とする地域で盛んな一方、東海や関東地方ではほとんど行われておらず、知らない人も多いようです。近畿から離れていても、北陸地方や新潟、長野市周辺など、地蔵盆を行う地域もあります。

お地蔵様は子どもたちの守り神であることから、地蔵盆は子どもたちが中心のお祭りです。地蔵盆が始まった京都では、町内ごとに地蔵尊の前に屋台を組み、花やもちをお供えします。子どもたちは、ふくびきをしたりお菓子を食べながらゲームを行ったりして過ごします。

地蔵盆のお決まりの儀式が数珠繰りです。子どもたちに大人が入った輪を作り、大きな玉で直径2mから3mの長い数珠を回します。その他、盆踊りをしたり、子どもたちがお経を呼んだりして過ごす地域もあります。

おわら風の盆

「おわら風の盆」は、9月1日から3日まで、富山県八尾町で行われるお祭りです。

おわら風の盆の起源は元禄15年(1702年)のことで、現在まで300年以上続いています。おわら風の盆の見どころは、「町流し」と「総踊り」です。「町流し」では、演奏に合わせて踊り手たちが町内を練り歩きます。特設の舞台で行われる舞台踊りや踊り手たちが踊って周る「輪踊り」は見事です。おわら風の盆は、最後に「総踊り」で締めくくられます。大提灯を囲んで、踊り手たちと一緒に観客も一緒に踊り、祭りは最高に盛り上がります。

防災の日

1923年に関東大震災が起きたことにちなんで、毎年9月1日は防災の日と定められています。

関東大震災では多くの方が被害にあいました。近代の日本が初めて経験した大災害は、当時の人々にとって、忘れられないものでした。防災の日は、関東大震災の教訓を忘れず、災害の備えを確認する日となっています。

防災の日は地震だけでなく台風の被害に備える日でもあります。台風の接近や上陸は、毎年8月から9月にかけて増えてきます。1959年9月には伊勢湾台風が襲来して多くの方が亡くなったり行方不明になりました。大きな台風が来ても慌てなくてすむように備えをするという意味でも、防災の日の存在はとても大きいですね。

処暑の食べ物

処暑の時期は、それまでの暑さで身体が疲れ、夏バテを起こしやすい時です。食欲がなくなって体力を失い、ちょっとのことでも体調を崩しやすいですから、こんな時こそ、栄養豊富な旬の食材を食べて、しっかり栄養を取りましょう。

栄養を付けるためにぜひ食べたいのが、処暑に旬を迎えるサンマです。この時期のサンマは脂がのっていますから、塩焼きしただけでも十分に美味しいです。サンマを食べるときは、ちょっと苦味がありますがビタミンたっぷりで元気のもとになるワタごと食べるのがおすすめです。塩焼きしたサンマは大根おろしと一緒に食べると最高ですよ。

なすも処暑の時期におすすめの食べ物のひとつです。「秋なすは嫁に食わすな」ということわざがありますよね。確かに、秋なすはお嫁さんには食べさせたくないほど美味しいです。しかし、ことわざにはもう一つ意味があります。なすはいくら美味しくても食べ過ぎれば体が冷えてしまうそうです。「お嫁さんが体を冷やさないように」と言う、お姑さんの優しい気持ちが感じられますね。

なすは、体にたまった夏の熱を冷ますのに効果的です。淡白な味わいなので、焼きなすや煮びたしなど、さまざまな調理法で楽しみましょう。ただし、食べすぎにはくれぐれもご注意くださいね。

旬の食材でを食べて夏バテを吹き飛ばそう!

毎日暑い日ばかりが続くと、身体がバテてしまって何をする気もなくなってしまいます。そんな処暑の時期に、夏バテに負けていては、体が弱ってしまうばかり。暑さに負けないように、処暑に旬を迎えるサンマの塩焼きや焼きなすを食べて、しっかり食べて健康を守りましょう。

処暑は暑いからといっても涼しい風が吹いて秋の訪れを感じられるときでもあります。暑いからと家にこもってばかりいないで、処暑ならではの行事である地域の地蔵盆に参加したり、おわら風の盆を見に行ったりするのも楽しいかも。そして9月1日には、いつ災害にあっても慌てず対処できるよう、防災グッズの点検は忘れないでくださいね。


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