[立秋とは]意味・由来から食べ物・挨拶の例文までご紹介
暑い日が続くと「早く秋にならないかな」と思う人も多いでしょう。暦を見て「立秋」と書いてあっても「えっ!もう秋なの?」なんて感じてしまうかもしれません。
暦の上では秋だとは言っても、そもそも立秋は本当に秋と言えるのでしょうか。立秋の時期や食べ物、時候の挨拶についてまとめました。
立秋(りっしゅう)とは
立秋とは、一年を24の季節に分けた二十四節気のひとつです。「立つ」と言う文字には「始まり」と言う意味があり、立秋とは文字通り「秋が立つ」、つまり秋の始まりを意味しています。二十四節気には立秋のほかに立春、立夏、立冬があり、この4つを合わせて「四立(しりゅう)」と言います。
この時期はまだ毎日暑い日が続いていますが、暦の上では立秋を超えると夏ではなくて季節は秋です。立秋以降の暑さは残暑と呼ばれます。
夏の時期に出す季節の便りに暑中見舞いがありますね。「暑いうちは暑中見舞いで大丈夫」と思いがちですが、立秋を過ぎれば暑中ではなく残暑となるため、暑中見舞いではなくなります。暑中見舞いが遅れてしまったら、残暑見舞いを出すようにしましょう。
二十四節気はさらに一つひとつを3つに分けて七十二候で表すことができます。七十二候では、立秋は次の3つにわかれます。
初候 涼風至(すづかぜいたる)
立秋を過ぎると、昼間はまだ暑くて真夏と変わらないように思えても、日は少しずつ短くなり、朝や夕方になると涼しい風を感じることができるようになります。日差しがあつくても肌にあたる風は涼しく、秋はもうそこまでやってきているとわかる、そんな時期です。
次候 寒蝉鳴(ひぐらしなく)
寒蝉(ひぐらし)とは「カナカナカナ」と鳴くセミのことです。夏のイメージが強いセミですが、ひぐらしは他のセミとは鳴く時間が違っています。
ひぐらしが鳴くのは、日が出る前や日が沈んだ後の薄暗い時間帯です。そして気温が低くなると昼間にも鳴くようになります。寒蝉鳴(ひぐらしなく)とは、暑さもピークを過ぎ、だんだん涼しくなってひぐらしの鳴き声にみんなが気づき始める時期です。
末候 蒙霧升降(ふかききりまとう)
難しい漢字が使われているので意味がわかりにくいですが、蒙霧(ふかさき)とはもうもうと立ち込める深い霧のことを指します。
昼間は残暑が厳しくても、この時期になると朝晩は過ごしやすい日が増えてきます。早朝には特に空気が冷え、山や水辺では一面に真っ白な深い霧が立ち込めていて、非常に幻想的な風景が見られることがあります。それが蒙霧升降の状態です。
立秋はいつ?2019年は?
暦の上で立秋の日はだいたいは決まっているものの、毎年必ず同じ日だというわけではありません。立秋はだいたい8月7日、または8日のどちらかで、2019年の立秋は8月8日となります。
立秋はいつか聞かれた場合は、8月8日というように立秋に入った日を指すこともあれば、二十四節気で次の季節である処暑の前の日までの期間を指すこともあります。2019年の処暑は8月24日ですから、立秋はいつからいつまでか、と聞かれた場合は立秋の始まりから次の処暑の始まる前の日まで、2019年であれば8月8日から8月23日までということになります。
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立秋の食べ物
立秋の時期には、これまで夏一色だった食品売り場に、秋を感じさせる食材が並び始めます。季節の変わり目は、栄養豊富な旬の食材をいただいて、乗り切りたいですね。この時期に旬を迎えるもの、おすすめの食べ物をご紹介します。
オクラ
茹でたり炒めたり、天ぷらにしたり、とメインにはならなくてもいろいろな料理の付け合せとして登場するオクラは、立秋の時期に旬を迎える食べ物のひとつです。オクラのネバネバは食物繊維がたっぷりで便秘解消に効果があります。
食物繊維のほかにも抗発ガン作用があるβカロティン、高血圧に効果のあるカリウムなど、豊富な栄養素が含まれています。オクラを切ると星型の切り口が出てきますよね。8月7日は旧暦の七夕の日であることから、8月7日はオクラの日と呼ばれています。
とうもろこし
夏から初秋に向けて旬を迎えるとうもろこしは、炭水化物を含む高エネルギー食材で、甘くておいしいことから人気があります。不飽和脂肪酸を多く含んでいるため、体の中に善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールを減らす働きがあり、動脈硬化を予防する効果が期待できます。
ゴーヤ
ゴーヤは苦瓜とも呼ばれ、独特の苦みが魅力です。沖縄料理の食材として有名ですが、現在では関東地方など、他の地域でも作られています。ゴーヤは栄養価が非常に高い野菜として知られています。美容や健康に効果が高いビタミンCが豊富で、ゴーヤの苦味成分は胃腸の粘膜を守って食欲を高めてくれます。夏バテして食欲がないときにおすすめです。
桃
桃は夏から初秋にかけて旬を迎えます。果汁たっぷりで甘みのある桃は、おいしいことはもちろん、栄養価もたっぷり。主成分である果糖は体のエネルギーとなるため疲れている体を元気にしてくれます。食物繊維のペクチンが入っており、便秘解消効果が期待できるのもうれしいですね。
秋刀魚
魚の中でも特に青魚は栄養価に優れていると言われています。夏にとれ始める秋刀魚は、秋になると脂がのり、立春の時期はいよいよ美味しくなってくる時期です。秋刀魚はDHAやEPA、鉄分などミネラルが豊富で、動脈硬化や貧血の予防、悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます。
立秋の挨拶文
手紙をかくときは季節の挨拶から入りますが、立秋の挨拶には「立秋の候」が使われます。
「立秋の候」は「りっしゅうのこう」と読み、「立秋でございます」つまり、「秋の気配が感じられるようになりました」と言う意味になります。
「立秋の候」は、次のような形で使われます。
- 立秋の候、暦の上では秋ですが暑い毎日が続いておりますがお元気ですか?
- 立秋の候を迎えましたがまだ厳しい暑さが続いております。皆様いかがお過ごしですか?
- 立秋の候、ようやく夕方は涼しくなってまいりましたが、そちらはまだ暑いですか?
立秋の時期は残暑が厳しく体調も崩しやすいので、体調を気遣った言葉を入れて挨拶文とする方が多いようです。
旬のものを食べて夏バテを防ごう
8月のまだ毎日暑いときに「もう秋なの?」と言いたくなってしまう立秋。たしかに昼間はまだ暑いですが、夕方になると風が涼しく感じられたりする時期です。
昼間はもちろん、夜も暑い真夏と違い、立秋のころには夕方は涼しく、過ごしやすくなります。とは言え、疲れが取れずに夏バテする人も多い時期。栄養豊富な旬のものを食べて、残暑を乗り切り、気持ち良い本格的な秋の訪れを待ちましょう。普段はあまり会えない友人や知人、または親類に体調を気遣った言葉を添えて季節のお便りを出して良いかも。優しい言葉に手紙をもらった方はきっと喜んでくれますよ。