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【啓蟄とは】2019年はいつ?意味・由来から食べ物・風物詩まで

季節をあらわす言葉には、見たことのない漢字で意味がよくわからないものも多いですよね。「啓蟄」もそのひとつです。啓蟄とはいつで、どんな日なのでしょうか。意味・由来から行事・食べ物まで、啓蟄についてまとめました。

啓蟄(けいちつ)とは

啓蟄(けいちつ)とは、1年を24の季節に分けた二十四節気のひとつで、3番目にあたります。

「啓蟄」の「啓」は「開く」という意味があり、「蟄」とは「虫などが土に隠れている様子」を表しています。冬の間、土の下に隠れていた虫たちが動き始め、顔を出す時期が啓蟄です。

二十四節気はさらに3つずつに分けて七十二候で表すこともあります。啓蟄は七十二候では、次の3つに分かれます。

初候 蟄虫啓戸(ちっちゅう こを ひらく)

蟄虫とは冬の間土の下にこもっている虫たちのことで、蟄虫啓戸とは冬ごもりをしていた虫たちが出てくる、と言う意味です。冬の寒い間、虫たちは冬眠したり、葉の裏に隠れたりしてほとんど動かず、じっと春を待ちます。まだ冷たい風が吹く日が多少あったとしても、季節の訪れをいち早く感じ取った生き物は、土から出てきて姿を表します。虫たちの姿が見られるようになったら、いよいよ気持ち良い春は目の前です。

次候 桃始笑(もも はじめて わらう)

「笑う」とは花が咲くことで、桃始笑で桃の花が咲き始めたという意味になります。桃は枝に沿ってゆっくりと花を開いていきます。つぼみがぽんと花を咲かせる様子は、まさに桃の花が笑ったかのよう。桃の花を見ていると、春を感じて心も和やかになって、思わず笑みがこぼれますね。

末候 菜虫化蝶(なむし ちょうと けす)

菜虫とは大根や蕪などの葉っぱを食べる幼虫、蝶の幼虫のことを指します。蝶にもいろいろな種類がありますが、菜虫はモンシロチョウの幼虫を指すようです。冬の間、菜虫(青虫)たちはさなぎの姿でじっと過ごしますが、春になると羽化して蝶になり、空を飛び回ります。モンシロチョウの姿が見られるようになると、春もいよいよ本番です。

啓蟄はいつ?2019年は?

二十四節気は太陽の動きによって決まるため、だいたい日にちが決まっていますが、ずれることもあります。啓蟄は3月6日か3月5日のどちらかで、2019年は3月6日です。

啓蟄と言う場合、特定の日を指すこともあれば、春分の前の日までの15日間を指しているときもあります。2019年の啓蟄は3月6日から春分の日の前日3月20日までです。

啓蟄の豆知識

啓蟄の日は各地で様々な行事、または決まり事があります。豆知識として覚えておきましょう。

お水取り(東大寺二月堂 修二会)

東大寺二月堂で行われる「お水取り」は、春を告げる行事のひとつで、奈良時代に始められた歴史的な行事です。関西では「お水取りがすまないと暖かくならない」と言われるほど。お水取りは正式には修二会(しゅにえ)と呼ばれる行事の途中で行われる儀式ですが、東大寺の修二会自体を指すこともあります。

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お水取りとは、お香水(おこうずい)と呼ばれる観音様にお供えするお水を若狭井(わかさい)と言う井戸からくみ上げる儀式で、修二会のクライマックスです。3月12日深夜、雅楽が演奏される中を白装束の練行衆(れんぎょうしゅう)が桶でお香水を運び、本尊である十一面観音に供えられます。

お水取りが始まった由来としておもしろい話があります。神々が集まる儀式に魚をとっていたために遅れてしまったという若狭の神様は、遅れてしまったお詫びにと二月堂の御本尊に水を献上しました。その水をくみ上げたのが若狭井という井戸だと言われています。

菰外し(こもはずし)

冬になると松の幹の周りにワラが巻かれている様子を見たことがある方は多いのでは?それが「菰」です。春の啓蟄の時期になると、眠っていた虫たちも起き出しますよね。冬の間松の幹に巻きつけられていた菰には、冬越ししようともぐりこんでいる虫たちの幼虫がたくさんいます。虫たちが起き出す春になるころ、菰ごととりはずせば、外注は松の幹につくことはありませんので、自然と害虫退治ができるというのが菰外しです。

雛人形の片付け

3月3日といえば女の子の節句であるお雛様の時期ですよね。雛人形は飾っておくときれいですし、出すのも片付けるのも大変なので、できれば長く飾っておきたい… そんな風に思うこともあるでしょう。「雛人形は早く片づけなければ婚期が遅れる」と言われるのは、そんなことも関係しているのかもしれません。女の子の健やかな成長と良縁を願う雛人形は、できるだけ早く片付けるようにしたいものです。

啓蟄は雛人形の片付けに良いと昔から言われています。啓蟄の日を目安に、前後の天気の良い日を狙って雛人形を片付けましょう。

十六団子

3月16日は十六団子の日です。その名前のとおり、十六個の小さな団子をお供えします。古来より、日本では山に神様が住んでいると考えられて来ました。山の神様は3月16日になると、農神おろしのために種を持って里に降りてきます。その神様へのお供えとして出されるのが十六団子です。

虫出しの雷

雷はわかるけれど虫出しとはどういうこと?と思ってしまいますよね。季節の変わり目には雷が鳴る事が多いです。啓蟄の時期には雷が鳴ることも多く、その大きな音を聞いて、驚いて虫は冬眠から覚めて起きてくると言われています。年が明けてはじめての雷を初雷といいますが、短歌では初雷のことを「虫出しの雷」とも呼んでいます。

啓蟄の食べ物

啓蟄の時期には特にこれと言って決まった食べ物はありません。啓蟄の時期に旬を迎える食べ物で、季節感を味わうのがよいでしょう。

啓蟄の時期の旬の食材は、菜の花、明日葉、玉ねぎ、さより、さわら、しらす、タイ、はまぐり、あさりなどがあります。たけのこ、わらびやフキなど、山菜が旬の時期を迎えるのもこの時期です。

季節感たっぷりで体にも良い菜の花などはおしたしにすると美味しいですよね。ほろ苦さはありますが、デトックス効果も高いです。たけのこやわらびなどは炊き込みご飯にしたり、煮物にしてもお美味しいですよ。さわらの照り焼きなどを作るのもおすすめです。

啓蟄には外に出て、旬のものを食べて過ごそう

冬の寒い時期は人間だけでなく動物や虫たちも土の中などにこもって、外に出なくなります。けれど、春になると眠りから目を覚ました動物たちや虫たちが少しずつ表に出てきます。いよいよ春本番ですね。

寒い時期は虫たちや動物だけでなく、私たち人間も外に出たくなくなることも多いものです。でも、啓蟄の頃になると外はだいぶ暖かくなります。こんな時期に家にばかりいるなんてもったいない!外に出て暖かい日差しを浴びましょう。のんびり春の散歩を楽しんだあとは、旬の美味しいものを食べて過ごすのがいいですね。体に良い野菜や山菜類を積極的に食べて、穏やかな春の季節の訪れを感じてください。

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