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立春大吉とは?立春の意味・由来から縁起のいい食べ物まで

寒いのが苦手な人は特に、春が待ち遠しいですよね。そんな冬が苦手な人たちが暦を見てうれしくなるのが「立春」です。春の始まりを告げる「立春」。実際にはまだ寒い日が続いていて、春になるなんて信じられない、と思うかもしれませんが、暦の上では立派な春なんです。

立春とはいつなのか、まつわる行事や食べ物などについてまとめました。

立春(りっしゅん)とは

一年を24の季節に分けた二十四節気のなかで、一番初めのものが「立春」です。立春とはその名前のとおり、春の始まりの日を指します。

暦の解説書である暦便覧によると、立春とは「春の気立つをもって也」と説明されています。これは「初めて春の気配が感じられる季節」という意味で、実際にはまだ真冬と思えるほど寒い日が続いていても、暦の上では春なのです。

二十四節気はさらに3つずつに分けて七十二候で表すこともあります。七十二候で表すと、立春は次の3つに分かれます。

初候 東風解凍(はるかぜ こおりを とく)

まだ気温が低い日が続いていると言っても、この頃になると暖かい東寄りの風が吹き始め、凍っていた川や湖の氷を溶かし始めます。厚い氷も溶け始めるこの季節は、見た目にはわかりにくくても新しい春の始まりです。肌に当たると、暖かいというよりもまだ冷たく感じてしまう東の風ですが、春はやってきています。長かった冬も終わりを告げ、これから暖かくて穏やかな春がやってくる兆しの感じられる時期です。

次候 黄鶯?睆(うぐいす なく)

「ホーホケキョ」と言う鳴き声で有名なうぐいすは、春を告げる鳥だと言われています。「梅に鶯(うめにうぐいす)」という言葉がありますよね。春の始めに咲く花である梅の木に止まるうぐいすの姿は、写真などで見かけることも多いでしょう。寒くても、動物や植物は敏感に春の訪れを感じ取っているようです。

末候 魚上氷(うお こおりを のぼる)

「魚上氷(うお こおりを のぼる)」とは、氷の割れ目から魚が飛び跳ねる様子を表したものです。川や湖が厚い氷で覆われている冬、魚たちは氷の下で動かずにじっとしていました。しかし、立春になって氷が溶け始めると、氷が割れて魚たちは動き始め、氷も割れて勢いよく外へと飛び跳ねます。魚たちは春の訪れを何よりも待ちかねていたように感じますね。

立春はいつ?2019年は?

立春はだいたい毎年2月4日と決まっていますが、年によってずれが出てくることがあります。2019年の立春は2月4日です。

立春はいつか、という場合は立春の始まりである2月4日を指すことも多いですが、暦で次に当たる「雨水」までの15日間を表すこともあります。期間を表す場合は、2月4日から18日までが立春となります。

立春と旧暦

立春の「立」には季節の始まりという意味があり、旧暦では立春=1年の始まりだという考えがあります。それならば立春=旧暦の1月1日なのでは?と思いがちですが、実際のところ、立春は旧暦の1月1日ではありません。

どうして違いが出てしまうのかというと、立春の日付は太陽の動きを基準にして作られていますが、旧暦は月の満ち欠けが基準となっています。太陽と月の動きでは、ちょっと違いが出てしまうため、旧暦の1月1日と立春は同じにはならないのです。

旧暦と立春を比べてみて、旧暦の正月前に立春を迎えることを年内立春旧暦の正月を過ぎてから立春を迎えることを新年立春といいます。年内立春と新年立春はだいたい半分ずつの確率となっています。ちなみに2019年は旧暦によりますと新暦の2019年2月5日から2020年1月24日まで、立春は2月4日ですから、2019年は旧暦の間に立春がない「無春年」となります。この逆で、旧暦の間に立春が二度訪れる双春年もあります。

立春は1年の始まりですから、立春を基準にして次のようにさまざまな節目が決められています。

1年を春夏秋冬で区切る場合、春とはいつからいつまでを指すの?と気になりますよね。春と呼ぶのは「立春」の日から次の季節である夏の始まりである「立夏」の前の日までです。ちなみに2019年は立夏が5月6日ですから、2月4日から5月5日までが春となります。

節分:立春の前日

節分と聞くと「鬼は外、福は内」という豆まきを思うかべる方が多いでしょう。節分は毎年立春の前日に行われます。節分とは季節を分ける日という意味があります。節分と言われると立春の前日だけのイメージがありますが、本当は1年に4回あるのです。

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立春の前日の節分には「豆」をまいて邪気を払い、多くの人が福を呼ぼうと「恵方巻き」を食べることが習慣となっています。

八十八夜

立春から数えて八十八日目に当たる日の夜が八十八夜です。このころには季節はだんだんと春から夏にうつってきます。昔から歌われてきた歌に「夏も近づく八十八夜」という歌がありますよね。歌詞の通り、八十八夜は茶摘みの時期です。茶摘みだけでなく、もみまきや蚕のはきたてなど、農家にとって八十八夜は農作業を行う大事な日となります。

二百十日

立春から210日目の日を二百十日といいます。二百十日とはいったいいつごろを指すのかよくわからないですよね。日にちで表すと、だいたい平年で二百十日は9月1日を指します。

二百十日は稲が開花、結実する時期ですが、台風シーズンでもあります。被害のニュースで心を痛めた経験をお持ちの方も少なくないでしょう。二百十日は農家にとって、台風などに備えて警戒する時期でもあるのです。

二百二十日

立春から220目、9月11日頃が二百二十日です。二百十日同様、この時期も台風シーズンにあたります。台風は特に遅く来るもののほうが規模が大きく被害甚大なことも多いです。二百二十日は農家にとって二百十日以上に注意するべきときです。

立春大吉とは

立春のころになると、立春大吉という文字や御札を目にすることがあります。どういった意味があるのでしょうか?

曹洞宗のお寺に行くと「立春大吉」という御札が貼られています。立春大吉とは厄除けを意味しています。立春大吉という言葉が生まれたのは、立春の前日である節分にその理由があります。節分の日には豆まきをして厄除けをしますよね。節分の日には一年間の厄がすべて払われますから、新しい時を迎える立春の日に、もう厄が来ませんように、という願いが込められた「立春大吉」の御札が貼られるようになったようです。

立春大吉という言葉が生まれた理由として面白い話があります。立春大吉を縦に書き、4つの文字の真ん中に線を引くとすると、どの文字もすべて左右対称ですよね。左右対称ということは表から見ても裏から見ても同じように「立春大吉」と読めることになります。この御札が玄関にあると、家に入った鬼が振り返ってみて同じ文字が見えるためにまだ玄関に入っていない、と家の中に入らず、逆戻りするそうです。立春大吉は、鬼が中に入らない、つまり厄がなく一年を無事に過ごすことができるという厄除けになるわけです。

立春の食べ物

立春にはぜひ食べたい次のような縁起の良い食べ物があります。

立春朝搾り

立春は春の始まりを表すとてもおめでたい日です。立春の朝は、朝しぼったばかりのお酒をその日のうちに召し上がってもらうためにお客さんに届けるという、立春朝搾りがあります。このお酒には無病息災、開運、厄除けの意味が込められています。立春朝搾りは酒屋さんに行けば手に入りますよ。

春生菓子

日本で古くからある生菓子は季節を表して作られているものが多いです。本当の春の訪れにはまだ少し早いですが、季節の先取りとして、春色の美しい生菓子をいただくのもいいですね。春生菓子は和菓子屋さんにあります。

立春大福

立春には古くから縁起物とされている大福餅を食べる習慣があります。立春大福は、春に新芽を出すよもぎで作られているものも多いです。立春大福も和菓子屋さんに売られています。

立春大吉餅

立春大福と似ていますが、縁起の良い豆を使って作るのが立春大吉餅です。立春の前日である節分には豆をまいて厄除けしますよね。立春が来て新しい年が始まるときに、この1年を健康で過ごせますように、という願いを込めて、豆や黒豆の入ったお餅をいただきます。

立春大吉豆腐

真っ白な豆腐は邪気を払い、霊力を溜めると言われています。立春には邪気を追い払って幸福を呼び込むためにお豆腐を食べる習慣があります。

立春大吉豆腐は節分と立春の二日にわたって食べるのがならわしです。節分の日には邪気を追い払うため、立春の日には穢れの無い状態で幸福を呼び込むためにお豆腐をいただくのです。

お豆腐には醤油をかけて食べることが多いですが、立春大吉豆腐は白いままで食べるためにお醤油ではなく藻塩をかけて食べるのがしきたりです。

縁起のよいものを食べて新たな気持ちで春を迎えよう

「暦の上では春と言っても、まだ寒いじゃないか!」と春の訪れを感じることがないまま、過ごしてしまいがちな立春。けれど、立春は春の訪れ、つまり新しい季節や年の始まりを表すとても大切な日です。これからの1年の無病息災、幸福を祈るために、立春の日には縁起の良いものを食べて、みんなで幸せを祈りましょう。立春がすぎれば、寒かった日も終わりを告げて、どんどん暖かくなっていきますよ。

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