【雨水とは】意味・由来から雛人形との関係まで丸っと解説!
暦を見るとよく意味がわからないものもありますよね。「雨水」もそのひとつではないでしょうか。「雨が多いのは梅雨じゃないの?」と不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。
雨水とはいつか、どんなことをして過ごし、どんなものを食べたらよいかなど、「雨水」についてまとめました。
雨水(うすい)とは
「雨水(うすい)」とは、一年を24の季節に分けた二十四節気のひとつで、立春の次にやってきます。「雨水」と言う文字からは連日のように雨が降り続くイメージがありますが、実はそうではありません。暦の解説書である暦便覧によれば、雨水は次のように説明されています。
「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」
つまり雨水とは「暖かくなって、地上に積もっていた雪や氷も水となる頃」という意味になります。寒い地域では誰もが雪解けを待っています。特に農家の人々にとっては、特に農家の人々にとっては、雪解けは農耕の準備を始める目安となります。雨水とは雪が解け始め、農業を再開する時期なのです。
二十四節気をさらに3つに分けた七十二候によりますと、「雨水」は次の3つに分かれます。
初候 土脉潤起(つちのしょう うるおい おこる)
土脉潤起(つちのしょう うるおい おこる)とは、冬の季節に降る雪はそろそろおしまいとなり、雪が解けて雨にかわって土を潤すようになった、という意味です。雪から雨に変わると、大地に降り積もっていた雪も解けて地面が現れます。雪解けの水でぬかるんだ土からは、段々と新しい春の目が出始めます。寒い日が続いても、春の訪れをはっきり感じられるーそんな時期です。
次候 霞始靆(かすみ はじめて たなびく)
冬の空は寒い反面空気が澄んでいますから、高いところから遠くを見つめると遠くにある山まできれいに見ることができます。しかし、春になると空には霞が出てきて、遠くの景色を見ようとすると白くかすんでいてよく見えません。霞始靆(かすみ はじめて たなびく)は、そんな春の始まりの時期です。たなびくとは、霞が横に広がっている様子を指します。
末候 草木萌動(そうもく めばえ いずる)
雨水を3つに分けた最後が草木萌動(そうもく めばえ いずる)です。冬の間、草木は枯れています。しかし春になると地面から草木が芽を吹きます。草木が初めて芽を吹き始める時期と聞くと、まさに春ですよね。体や顔に当たる風はまだ冷たかったとしても、地面から生えている小さな芽を見つけると、小さな春を見つけた!とうれしい気持ちになるものです。
雨水はいつ?2019年は?
「雨水」がいつかは年によって異なりますが、だいたい2月19日と決まっており、2月18日になることもあります。2019年の「雨水」は2月19日です。
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「雨水」と言う場合、雨水が始まる2月19日を指す場合と、二十四節気で次の啓蟄までの期間を表す場合があります。啓蟄はだいたい3月6日となりますから、雨水の期間は2月19日から3月5日までです。
雛人形を飾る日
昔から、雨水には雛人形を飾るとよいと言われます。でも、どうして雛人形を飾るとよいのでしょうか。
雨水は2月ですから、たしかに雛人形を飾るにはちょうどよい季節ですよね。でもそれだけでなく雨水に雛人形を飾るのにはもう1つの理由があり、それは日本神話が元になっているようです。雨水になると、草木は芽吹きますし、雪が解けた水が川へと流れ込みます。水がないと生き物は生きていくことができませんから、水は大事な生命の源です。
さらに水の神様は子宝の神様、安産の神様としても崇められています。子宝、安産の神である水の神様にあやかって雨水の日に雛人形を飾れば、女の子は良縁に恵まれる、そういう考えが生まれました。そのため、雛人形を飾る日として雨水が選ばれたようです。
雨水の食べ物
雨水の一つ前である立春には縁起物として食べたほうが良いものがありますが、雨水にもあるのでしょうか?
雨水には特に決まった食べ物はありません。けれど寒い日もあれば暖かい日もあって気温が不安定なときですから、風邪をひかないよう栄養価の高いものを食べるのがおすすめです。雨水の時期に旬を迎える食べ物には、次のようなものがあります。
- 新玉ねぎ
- セロリ
- わかめ
- ヒラメ
特に新玉ねぎはビタミンやカルシウム、食物繊維はもちろん、血液サラサラ効果の期待できるアリシンも含まれているので、積極的に摂りたい食材のひとつです。
もう1つ、ぜひこの時期に食べたい行事食の1つにはまぐりがあります。
雨水の時期に毎年ひなまつりがやってきます。はまぐりはちらし寿司と並び、お祝いの席に欠かせない料理の一つです。はまぐりは2枚貝が合わさった形をしていますよね。この2つ合わさった形が夫婦和合の象徴と言われています。はまぐりは縁起がよいだけでなく、ビタミンBや鉄分といった女性の体に無くてはならない成分が含まれている点も見逃せません。雨水のはまぐりはただの行事食でなく、健康と幸せのためにぜひ食事に取り入れたい食材だと言えるでしょう。
季節の変わり目は健康に注意!
草木も芽吹く雨水の時期は、春の訪れを実感できるときです。ちょっと暖かくなるとみんな外に出たくなりますが、ここで一つ注意していただきたいことが体のことです。温度差が大きいせいで風邪を引いてしまったり、体を壊してしまう人も少なくありません。暖かくなってきたからと油断せず、体には十分お気をつけくださいね。