スパゲティには今はたくさんの種類がありますよね。スーパーに行けばいろいろなソースが売られていますから、選び放題。でも数あるスパゲティの種類の中でも、昔からあって子供にも大人にも人気がある味と言えばナポリタンではないでしょうか?
ナポリタンという、いかにもイタリアっぽい名前がついていますが、実はナポリタンはイタリア生まれではなく日本生まれのスパゲティです。昔からある喫茶店では定番メニュー、家庭でも作りやすいシンプルな味がくせになるナポリタン。意外に知らない懐かしメニューについてまとめました。
ナポリタンとは
ナポリタンといわれるとケチャップ味を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし元祖のナポリタンにはケチャップは使われていません。本格的なナポリタンを作るのに使われるものは、ケチャップではなく生のトマトと水煮のトマトです。
パスタは歯ごたえがあるアルデンテが定番ですが、ナポリタンを作る場合にはアルデンテにはしません。ナポリタンはもちもちした食感が特徴です。
ナポリタンはそれほど手間をかけずに簡単に作ることが出来ます。ニンニクや玉ねぎを炒めたらトマトで和え、別に炒めておいたソーセージやベーコン、ピーマンなどの具材と混ぜます。そうしたら、ゆであがったスパゲティを入れてなじませ、塩コショウで味を調えたら完成です。本格的なお店では使いませんが、家庭では水煮のトマトにケチャップを混ぜて濃厚なソースを作ったりします。
麺は「茹で置き」が一般的
洋食屋さんや喫茶店などで出されるナポリタンは、茹で置きした麺をさらに炒めてから使うことが一般的です。お店では芯がなくなるまでしっかり茹でた麺をサラダ油であえて冷蔵庫の中に入れて一晩おいておきます。そして注文があってから具やソースと一緒にフライパンで麺を炒めます。
油であえたりしっかり茹でるのは、冷蔵で保存したり注文があってから麺を再加熱することで、水分が飛んでしまって麺が乾燥することがないようにするためです。
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ナポリタンの由来
スパゲティといえばイタリア生まれの食べ物ですが、ナポリタンは日本生まれの食べ物です。でもどうして日本生まれの食べ物なのに「ナポリ」の名を取ってナポリタンという名前が付いたのでしょうか。
これはトマトソースを使ったパスタがナポリ風と呼ばれていたことにあります。トマトソースを使ったパスタはフランスに伝わって「スパゲッティ・ナポリテーヌ」と呼ばれるようになり、それがのちに横浜のホテル「ニューグランド」で今のナポリタンが誕生したようです。
それではイタリアにもナポリタンが存在するのでは?と思ってしまいますが、イタリアに存在するナポリ風パスタ(スパゲッティ・アッラ・ナポレターナ)は見た目はナポリタンと似ているのですが、トマト、にんにく、塩コショウ、バジルなどのソースで和えたスパゲティで、日本のナポリタンとは違うものです。
ナポリタンは日本だけ?
ナポリタンといえば洋食の一つですから日本の食べ物と言われてもなんだか不思議な感じがしますが、ナポリタンは日本生まれで日本にしかない食べ物です。
日本だけの食べ物は他にもある?
実は日本だけにしかない洋食はナポリタンだけではありません。ほかにも日本で定番メニューとして食べている洋食の中に、日本だけのものが存在します。
一つ目はドリアです。ご飯にホワイトソースをかけて焼き上げて作るドリア、グラタンのイメージがあるのでフランス料理の一種だと思っていた方も多いかもしれませんが、ドリアはナポリタンと同じく、横浜のホテル「ニューグランド」で誕生しました。フランスではドリア風とはキュウリを添えた料理のことを指すそうです。日本とは全く違う食べ物ですね。
二つ目に紹介する日本生まれの洋食がオムライスです。見た目がフランス料理のオムレツと似ていますからこれもフランス料理に見えてしまいますが、オムライスはオムレツをヒントに中に入れる具材をご飯に入れたらどうか、と日本人が考えた料理なのです。
またトンカツにピラフ、そしてパスタがワンプレートになったトルコライス、これもトルコの料理とは違います。しかもトルコライスはトルコとは無関係なのだとか。トルコ風呂からその名前が付いたのではないかと言いますから不思議ですね。
日本生まれの洋食を楽しもう
誰でも知っていて、家庭でも昔から食べていた定番洋食メニューのナポリタン、日本で生まれたものなのにナポリをとってナポリタンと言う名前がついているなんて、なんとも面白いですね。
日本のものは和食、海外からきた食べ物は洋食とつい思ってしまいますが、日本で食べてきた洋食の中にはナポリタン以外にもドリアにオムライス、トルコライスなどの日本生まれのものがあります。さすが日本生まれなだけあって、日本人好みのこの洋食たちをこれからも大事に守っていきたいですね。