おせちに肉はNG?お正月にやってはいけないタブーとは

子どもたちに好きな食べ物はなに?と聞くと、ハンバーグ、カレーなど、お肉料理が上がります。家族みんながお肉料理を好きなことから、夕食のおかずはいつもお肉料理が一品入っているという家庭も多いのではないでしょうか?

もちろんお肉は栄養価も高くおいしいのでみんなに喜ばれますよね。「お正月にはお肉料理を!」と思いがちですが、実はお肉料理はおせちにはNGなんです。おせちに肉料理がない理由と、その他にもある食べ物に関するお正月のタブーについてまとめました。

鶏肉はOK?おせちに肉料理がない理由

おせちに肉料理がなくなったのは、奈良時代からのならわしによるものです。奈良時代以降、日本ではお正月に「四足動物」つまり四本足の動物を食べることを禁じていました。その理由として考えられているのは2つの説です。1つは、仏教の教えに基づくというもの、そしてもう1つは天武天皇が675年に僧侶に肉食禁止令を出してから神や仏に捧げるものから肉類が排除されたというものです。こうして歳神さまに供えるために作られたことが始まりであるおせちにも肉が入らなくなりました。

しかし、肉にはいろいろな種類があり、すべての肉料理がNGとなったわけではありません。日本人が古くからおせちに入れなかった肉は四足動物の肉のみですから、二足動物の肉は食べてもよいのです。二足動物といえば鶏や兎などです。鶏や兎の肉はおせちに入れても何の問題もありません。おせちの中に入れることが多い筑前煮の中やお雑煮の中には鶏肉が入っていますよね。肉類はNGなのにどうして?と思ってしまいますが、鶏肉だから良かったんですね。

食べ物に関するお正月のタブー

肉料理(四足動物の肉料理)は食べないというタブーの他にも、お正月には食べ物に関してやってはならない以下のようなタブーがあります。

包丁・刃物を使う

包丁や刃物を使って何かを「切る」ということは「縁を切る」につながるーこういった考えから正月に包丁や刃物を使うことは縁起が悪いのでタブーだと言われています。

お正月に包丁・刃物を使わないワケ
  • 『縁を切る』につながるので、元旦(できれば三が日)は包丁を使わない
  • 一年ケガなく無事に過ごすことを願って包丁を使わない

包丁や刃物なしでは料理が何も出来ないじゃないか、そう思う方もいらっしゃるでしょう。でも、これは主婦のためでもあるタブーなのです。毎日休むことなくご飯を作っている家庭の主婦たちをお正月ぐらいは休ませてあげよう、包丁や刃物を使うことをNGにした理由にはこういった思いも含まれています。

またもう一つ、包丁や刃物で切って怪我をすると大変です。お正月の間は病院も休みでもしケガをしても手当をしてもらうことができませんからそんなときに事故が起きたら大変、ということで、事故を避けたいため包丁や刃物を禁じた、という思いもあるようですよ。

煮炊きをする

お正月は包丁で切ることだけでなく火を使って煮炊きをすることもタブーとされています。そうなりますと、本当に正月の間は料理なんてできませんね。煮炊きをすることを禁じているのは以下の理由からです。

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お正月に煮炊きをしないのは?
  • 火を使って火の神の『荒神』を怒らせてはいけない
  • 煮物で灰汁(あく)=悪を出してはならない

お正月に火を使って煮炊きすることを禁じるようになったのは平安後期からです。お正月に煮炊きをすると火の神を怒らせてしまう、ということからおせち料理はお正月前に準備するようになったのでしょう。そうすれば、正月の間の食事は、火を使って用意しなくても間に合います。

煮物を作るとどうしても灰汁(あく)が出ます。灰汁=あく=悪、こういった語呂合わせから煮炊きをすると悪が出る、考えが生まれました。でも、これは包丁や刃物を禁じたことと同じく、主婦の仕事を正月ぐらいは休ませてあげるために出た考えかもしれません。

洗い物をする

食事は作るだけではありません。家族がご飯を食べた後、お皿などを洗って片付けるのも主婦の仕事です。お正月の間は主婦を休ませたい、という思いから洗い物をすることも正月はNGとなっています。洗い物だけでなく、洗濯や掃除についてもお正月の間はNGです。そうすると、本当に正月の間は、すべての主婦の仕事がお休みになりますね。

お正月に洗い物をしないワケ
  • 洗い物をすると福が一緒に洗い流されてしまう
  • 掃除をするとわざわざやってきた福の神様を掃き出してしまうことになる

ご飯を食べるときに使ったお皿は食べた後すぐに洗いますが、お正月はお重箱の中に食べ物が入っています。お重箱のおかずは三が日にかけて食べますから、食べ終わるまで洗い物が出ることはありません。だからおせちにはお重箱が使われているのでしょう。

また大晦日の日は大掃除をするのが昔ながらの習わしです。年明けはきれいな状態で迎えたい、そういう思いもありますが、大掃除には正月三が日を掃除しなくてもすませられますように、という意味もあるようです。

お正月に使う祝箸とは?

お正月の三が日は、お雑煮やおせち料理を食べるとき、普段使っている自分の箸ではなく祝い箸を使います。

祝箸は一本ずつが丸くなっていて中央がふくらみ、両方の端は細く削られています。丸い形には「丸く収める」という意味一本ずつになっているのは割り箸のように割らないという意味があります。

お正月になると家長は祝箸の箸袋に家族一人一人の名前を書いて祝箸を入れ神棚に供えます。そして元旦になってから家長は神棚から祝い箸をおろして、それぞれ家族は自分の名前が書いた箸袋から祝い箸を取り出して使います。

この祝箸は洗ってはいけないと言われています。祝箸は両方の端が細く削られているので汚れたら反対側の端で食べればいいのでは?という方もいらっしゃるでしょうが、反対側は歳神さまが使うため、箸は片側しか使ってはだめなのです。しかも三が日は洗い物が出来ませんから、祝箸も洗っては行けないという考えもあります。「洗わないで三が日の間同じ箸を使うなんて…」と気になる方は多いでしょう。たしかに、何日も洗わないで同じ箸を使うことには抵抗がありますよね。衛生面の問題から、現在は箸を洗わないという習慣については実際なくなってきたようです。

おせちのタブーについても知っておこう


お正月には肉料理がタブー、そして洗い物や掃除、煮炊きはしてはいけないというならわしは現在失われつつあります。現在の洋風おせちなどには牛や豚の料理が入っていることもありますし、家族がおせちに飽きてしまうからと三が日も料理をする家庭もあるでしょう。

でもお正月には四足動物の肉を食べない、洗い物や掃除、刃物を使ったり煮炊きはしないというのは古くから続くならわしです。これらのタブーは主婦を休ませるためでもあります。お正月のタブーを守って主婦がリフレッシュするのもいいかもしれませんね。


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