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おせち料理こんにゃくの意味・由来!男女で違うってホント?

こんにゃくはおせち料理に限らず、普段の食事やお弁当のおかずにもよく使われる定番の食材です。低カロリーなことから、ダイエットしている方が好んで使う食材でもあります。

おせち料理にこんにゃくを入れるときは「手綱こんにゃく」にすることが多いですが、実はこの形には大切な意味が込められています。おせち料理に手綱こんにゃくを入れるようになった意味・由来と男女の違いについてまとめました。

手綱こんにゃくの意味・由来

手綱こんにゃくとは、文字通り手綱のように細工をしたこんにゃくのことを指します。

作り方は簡単です。板こんにゃくを薄く切って、真ん中のあたりに切れ目を入れます。そうしたら端を持って切れ目の中に入れ、くるっとひっくり返すとできあがりです。こんにゃくを手綱にすると見た目が華やかになると言うだけでなく、煮物にすると味が染み込みやすくなり、こんにゃくをよりおいしく食べることができます。

おせちに手綱こんにゃくを入れる理由

手綱こんにゃくの「手綱」とは、乗馬のときに使う手綱のことを表しています。武家社会の時代、武士たちの移動手段といえば馬でした。乗馬の技術は武家以外には教えてはならない機密として扱われるほどの価値があり、手綱で馬を操る動作は、武士の礼法の一つとして重要視されていました。乗馬には手綱は欠かせません。手綱を引くことで馬に言うことを聞かせて思う方向に馬を走らせることができるわけですから、手綱は武家社会では非常に重要な存在でした。

手綱さばきには技術が必要ですし、心を引き締めて行う必要があります。このことから、新年を迎えるに当たって気持ちを引き締めて、次に来るだろう戦いに備える、という意味で、手綱こんにゃくをおせちの中に入れるようになりました。また、手綱といえば馬が連想されますよね。馬は農耕に欠かせない生き物であることから、手綱こんにゃくは五穀豊穣の願いも込められています。

男女で違う?手綱こんにゃくに込められた意味

手綱こんにゃくに込められた「気を引き締めて戦いに備える」と言う意味は、どちらかと言えば武家社会の男性に向けられたものですよね。現代では、手綱こんにゃくにはもう1つ、良縁や円満などを願う縁起担ぎの意味もあるとされています。

手綱こんにゃくの「結び」を見ますと古くからおめでたい象徴とされてきた吉祥文様になっていることから、良縁や円満を願う意味もあると考えられたようです。戦いに備えて心を養うといえば男性に向けた言葉ですが、良縁や円満は女性目線で生まれた新たな由来となっています。

おせち料理に入っているものはそれぞれに正月らしい縁起の良い意味があるのですが、こんにゃくのように男女で込められた意味が違うとは面白いですね。これから手綱こんにゃくを食べるときは、男性は新年に向けて気持ちを新たに頑張ろうという気持ちで、そして女性は家庭円満や良縁を願うのもよいでしょう。

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手綱こんにゃくをほどけないようにするには?

「せっかく手綱こんにゃくを作っても、煮物が出来上がったらほどけて普通のこんにゃくに戻ってしまう…」そんなお悩みはありませんか?

手綱こんにゃくをほどけないようにするためには、切り込みの長さに注意しましょう。切り込みが長すぎるとほどけやすくなってしまいます。手綱こんにゃくを作るには、まずこんにゃくを厚さ6mmから7mmに切ってから中央に切込みを入れますが、切り込みは2cm程度にとどめるよう心がけてください。切込みを入れた後はまな板の上に置いて、手のひらで軽く叩きます。この一手間で、手綱こんにゃくはほどけにくくなりますよ。

手綱こんにゃくは下茹ですることでさらにほどけにくくすることができます。ポイントは水から鍋に入れて火にかけること。沸騰してから2分程度下茹ですれば、煮てもほどけない手綱こんにゃくのできあがりです。

政治的な意味も?こんにゃく豆知識

現在はほとんど使われていないようですが、実はこんにゃくという言葉には政治的な意味があります。政界では、こんにゃくは100万円の隠語として使われていた時代がありました。言われてみれば確かに、こんにゃくの大きさや厚さはちょうど100万円くらいのイメージかもしれません。

このこんにゃくという言葉が政界で使われたのは2017年3月1日の記者会見のときでした。学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、自民党の鴻池元防災担当大臣が学園の理事長夫妻から手渡された紙に入ったものを「カネであったかこんにゃくであったか…」と表現したのです。今はあまり使われていない言葉ですが、年長者である鴻池元防災担当大臣ならではの言葉ですね。ちなみに、こんにゃく以外にも政界で金を表す隠語があります。政界では、1000万円のことを赤レンガと呼んでいたのだそうですよ。

こんにゃくが札束の隠語になったのは形が似ているのが主な理由ですが、かつて、紙幣とこんにゃくには密接な関係がありました。明治時代に発行されていた旧1円券は、お札を丈夫にするためにこんにゃく粉を混ぜて作られていたのです。こんにゃく粉によってお札は丈夫にはなったようですが、しかし、こんにゃく粉の入った紙幣は長く使われることがありませんでした。お札はこんにゃく粉が入っていることから、食べようとするネズミや虫による被害が多発してしまったために、数年で新しい紙幣に変わったそうです。

お正月には幸せを祈って手綱こんにゃくを食べよう

お正月には他にも縁起の良い食べ物がたくさん入っているために見逃しがちなこんにゃく。けれど、こんにゃくには大切な意味が込められています。

現代では男女を問わず、お正月に新たな気持ちで仕事を頑張ろうと思う人も多いでしょう。「今年こそ結婚したい!」と良縁を願う気持ちや、家庭円満を願う気持ちも、男性と女性で違いはありません。それぞれの願いと想いを込めて、手綱こんにゃくをいただきましょう。

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