おせちのお重には野菜や練り物・魚などさまざまな料理を詰めますが、箸休めにさっぱりとしたものが欲しくなりませんか?そんなとき重宝なのが「酢ばす」です。おせち料理の酢ばすには、どのような意味が込められているのでしょうか。おせちに入れる理由、簡単な作り方や冷凍保存の方法など、おせち料理の酢ばすについてお話します。
おせちに酢ばすを入れる意味
おせちの中に酢ばすを入れる理由は、酢ばすの材料であるれんこんの形にあります。れんこんはたくさん大きく穴が空いていますよね。れんこんの穴からは穴の向こうの様子がしっかりのぞけます。ということから、レンコンの穴は将来を見通す穴だとたとえられ、レンコンを使った酢れんこんには、「見通しの明るい一年が迎えられますように」という意味が込められています。
さらに、酢ばすには子孫繁栄や生命の豊かさに対する願いも込められています。レンコンは種が多いことから「多産」に例えられているのです。
このようにお正月というおめでたい時期にぴったりのれんこんですが、おせちにはお煮しめや筑前煮など、ほかにもレンコンを使った料理が入っていますよね?レンコンを使った料理の中でも酢ばすを入れるのには理由があります。レンコンの煮物は、黒い色をしていますよね。これは、レンコンに含まれるタンニンと言う成分に、酸化すると黒くなる性質があるためです。
酢にはこの変色を防ぐ働きがあり、酢ばすはいつまでも美しい白色をしています。穴のある形を活かして花形に切れば「花レンコン」に、少量の食紅で赤く染めれば紅白の花レンコンもできます。おせちに酢ばすを入れるのは、おせちに彩を添えることが目的です。
酢ばすの作り方
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酢ばすは、ご家庭で簡単に作ることが出来ます。基本的な作り方と市販のすし酢・かんたん酢を使う方法の3つをご紹介します。
基本の作り方
- 皮をむいたレンコンを薄い輪切りか半月型にして、水にさらしてから水気をよく切ります。
- 酢・砂糖・塩を合わせて小鍋に入れて火にかけます。煮立ったらレンコンを入れて混ぜて1分から2分煮てから火を止めます。
- お好みで赤唐辛子を散らします。粗熱が取れたらゆずのしぼり汁を加えて出来上がりです。
市販のすし酢を使う方法
- レンコンの皮をむき、薄い輪切りか半月切りにして、水にさらしておきます。
- 1.のレンコンの水気を切り、酢と塩を入れた湯でさっとゆでてざるに上げます。
- 保存容器にレンコンを入れ、すし酢を注いで20分ほどおきます。味を調えたらできあがりです。
かんたん酢を使う方法
- 2mmぐらいの厚みに切ったれんこんを酢水でさっとゆでます。
- 水気を切ったらかんたん酢と小口切りの赤唐辛子と一緒に漬け込んだら出来上がりです。
酢ばすは冷凍できる!
酢ばすは冷凍保存することができます。作り置きしておけば、食べる分だけ出して使えるので便利です。
酢ばすを冷凍するときは、一日分ずつ小さなタッパーに汁ごと入れてください。汁に漬かっていない状態で保存すると、レンコンが乾燥してしまいます。密閉するためにラップをかけ、ふたをして保存しましょう。
保存期間は冷凍庫に入れてから3週間が目安です。解凍するときは、食べようと思う12時間から24時間前に冷凍庫から冷蔵庫に移動させ、ゆっくり解凍することがが風味を落とさないコツになります。
おせちだけではもったいない!
酢ばすは市販の調味酢を使えば簡単に作れます。レンコンはビタミンCや食物繊維を豊富に含み、体を温める作用のある女性にうれしい食材。時間があるときに作り置きしておけば、普段のお総菜やお弁当のおかずとしても使えます。これまで作ったことがないという方も、ぜひ一度お試しください!