おせちのお重には色とりどりの料理が入っていますが、中でも特に色鮮やかで目を引くものが錦玉子です。食べるとほんのり甘く、子供から大人まで人気があります。料理と言うよりもお菓子みたいな感覚で小さいころからよく食べていたという人も多いのではないでしょうか。
おせちの定番、錦玉子。どこの地域でもお正月に食べられていると思いきや、全国を見渡せば錦玉子をおせちに入れる地域と入れない地域があります。錦玉子とはどんな料理か、おせちに入れる理由と地域についてまとめました。
錦玉子とは
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白と黄色のコントラストがなんとも見事な錦玉子。錦玉子はその名前の通り卵を使って作られた料理です。卵を茹でてから黄身と白身に分けて裏ごしして甘く味付けをし、その後、二層に重ねて蒸すとできあがります。
白と黄色で作られている錦玉子は、漢字で「にしき」を「錦」と表しますが、それは白と黄色の「二色」と「錦」の語呂合わせだと言われています。玉子の黄身の部分は金、白身の部分は銀に見立てられており、金、銀を合わせた非常におめでたい料理です。最近では華やかさを求めて、よりいろいろな模様のものが作られるようになりました。たとえば市松模様のものと渦巻き模様など、蒸し型を工夫することによって、様々な模様の錦玉子が誕生しています。
錦玉子は見た感じはかまぼこに似ていますが、食べてみると食感はかまぼことは全然違って、ほろほろした感じです。口に入れるとほんのりと甘さが口いっぱいに広がります。
おせちに錦玉子を入れる理由
おせち料理を華やかに彩る錦玉子ですが、おせちに錦玉子を入れるようになったのは、見た目の華やかさだけが理由ではありません。おせちに入っている食べ物にはそれぞれお正月に向けた大切な意味が込められていますが、もちろん錦玉子にも大切な思いが込められています。
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錦玉子には財宝をあやかりますように、という願いからおせちの中に入れるようになったと言われています。錦玉子の黄色は金、そして白色は銀に例えられています。金と銀、その2色を重ね合わせた錦玉子は、たしかに錦を織り上げたようです。錦織りのようなあでやかさのある錦玉子には、本当にお正月にぴったりの縁起のよさを感じます。お正月は錦玉子を食べて錦にあやかり、財を成したいですね。
おせちに錦玉子を入れる地域
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錦玉子はどこの地域のおせち料理にも入っているというわけではありません。錦玉子は東京の一部の地域などで食べられている料理です。
おせちには何かしら卵料理が入っていますが、錦玉子は東京などでしかあまり見かけることのない料理なのです。関東と関西では味の好みなどいくつか違いがありますが、東京では当たり前の錦玉子を関西で見かけることはほとんどありません。
東京に住んでいて関西に引っ越し、お正月の買い物に出かけて錦玉子を買おうと思ったけれどどこにもなかった、と言う人も少なくないようです。たしかに関東ではだいたいどこのスーパーでも売られているため当たり前のように買っていたかもしれませんが、関西では本当に見つかりません。
関西に住んでいるけれどお正月には錦玉子が食べたい!そう思ったときは材料を買ってきて、自分で錦玉子を作るしかなさそうです。
お正月には錦玉子を食べて錦にあやかろう
お正月には縁起の良いものをたくさん食べて、これから1年の幸せを願いたいですよね。関東の人はみんなが知っている錦玉子ですが、関西ではなじみがありません。原材料の卵は栄養価も高いですし、今まで食べたことがない、という方も今度のお正月には錦玉子を食べてみてはいかがでしょうか?
スーパーで売っていないから錦玉子なんて食べられない、そう答える方もいらっしゃるでしょう。でも錦玉子の材料はどれも手軽に手に入るものばかり。おせち料理はあまり好きではない、と言う子供たちもほんのり甘くてお菓子みたいな錦玉子ならば喜んで食べてくれるかも。みんなにたくさん食べてもらえて、作り甲斐がありますよ。錦玉子で、財に囲まれた幸せな一年が送れますように。