新年にふさわしい縁起の良いものがたくさん入っているおせち料理。おせち料理の具材の一つに良く入っているのがたこです。
たこといえば普段の料理でもよく食べるおなじみの食材ですよね。お刺身にして食べたり煮物に入れたり酢だこにしたり… たこにはいろいろな食べ方があります。たこは茹でると吸盤が赤くなることから色合いも美しく、おせち料理のいろどりにもなっています。
おせち料理のたこにはどのような意味があるのでしょうか。また、おせち料理に入れるという点では同じでも、関東と関西ではおせちのたこ料理は違います。関東、関西、それぞれのおせちのたこ料理とは?
おめでたいお正月に食べたいたこについてお話しします。
おせちだけじゃない!縁起物のたこ
たこが善良な行いをした、という伝説は、川や海などの水に近い地域に残っています。たこは八本の足を上手に使って獲物に足を絡めますがいったん獲物に足を絡めたら最後、獲物を決して離すことはありません。ぐにゃぐにゃ柔らかい体をしているたこにこんな力があるとは!その力には驚かされます。たこが獲物を離さないこの様子は「善いものに吸い付く」という意味に転じ、縁起が良いとされています。
またたこは敵から逃げるときに墨を吐くのですが、その様子から「苦難をけむに巻く」とされ、そのほかにも「行き詰らずに道を見つけられる」とも言われています。さらにゆであがったたこの赤い色は魔よけの色、このようにいろいろな点でたこは縁起が良いとされています。
たこはその姿かたちだけでなく名前も「多幸」と書けることから縁起がよいとされていますし、英語で「OCTOPUS(オクトパス)」と言うことから、オクトパス=置いておくとパスする、という語呂合わせが生まれて、難なく受験を乗り越えられると受験生の間でも縁起物とされています。
たこはお正月や受験期だけに食べるものではなく、夏に食べても縁起が良いとされています。たこの八本の足は稲が四方八方に根を伸ばしているところを想像させるために豊作を願って食べる方もいますし、たこを食べると体力がつくから夏の暑さに負けない、とも言われています。関西では夏至の日に「元気になりますように」と願いながら、たこを食べるそうですよ。
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おせちにたこを入れる理由
おせちにたこを入れるようになったのにはいろいろな理由があります。一つは先ほどお話しした「たこ=多幸」となることです。一年の初めにたこを食べれば、これからの1年多幸(幸せ)が待っています。
そのほかにも、たこは墨を吐いて敵から逃げられますから、お正月にたこを食べればこれからの1年は苦難から逃れることが出来る、茹でると吸盤などが赤くなることから、赤=魔よけになるなど、たこにはいろいろなおめでたい意味がありますから、縁起物の一つとして1年の幸せを祈りながら食べるおせち料理の中に入れられるようになったようです。
関東と関西で違う!おせちのたこ料理
関東と関西ではおせちに入れるものにいくつか違いがありますが、どちらにもたこ料理は入っています。けれど同じたこが入っていても、関東と関西で入れるたこ料理は違っています。
関東以北では酢だこ
関東以北のおせち料理の中に入っているたこ料理は「酢だこ」です。たこは茹でると吸盤のところが赤くなりますよね。吸盤の赤と身の部分の白、酢だこの紅白の色合いはおせち料理に華やかさを加えてくれます。
おせちに入れるたこはどうして酢だこなのか、酢を入れて作るのは日持ちさせるためだと言われています。たしかに、おせち料理はお正月の間数日間食べるものですから、長持ちする食べ物でないといけないですよね。酢が入っていれば三が日安心して縁起物のたこを食べることが出来ます。
関西ではうま煮
関東のおせちではおなじみの酢だこですが、関西ではあまり知らない、という人もいます。関西では酢だこの代わりにたこのうま煮が入ります。やわらかく煮た「たこのうま煮」は食べやすいですし、おいしいのでこれもお勧めですよ。
お正月には縁起物のたこを食べてこれから1年の幸せを願おう
関東以北では酢だこ、関西ではうま煮と作り方は違いますが、おいしくて縁起が良いという点では変わりません。
お正月だけでなく、夏の暑い時の夏バテを防ぐものとして、受験生の縁起担ぎに、と大活躍の縁起物のたこ。1年の初めにたこを食べれば、これからの1年はばてることなくきっと元気に乗り越えられるでしょう。家族みんなでたこを食べて、たこがぎゅっと獲物をつかむように幸せをつかみとりましょう。