カレンダーを見たとき、大安だったら何となくいいことがありそうな気がしたり、仏滅だと心がざわついたりと、暦を気にする方も多いのではないでしょうか。使われている文字からイメージがわきやすい大安や仏滅と違い、友引ってよくわからないですよね。
友引と聞いてもいい日なのか悪い日なのかわからないし「とりあえず気にしないことにする」と言うのもひとつの方法です。でも、どうせなら意味を知って、正しく気にする方が前向きです。
意外に知られていない「友引」について、気をつけるべきことをまとめました。
友引(ともびき)とは?
友引は、大安、先勝、先負、赤口、仏滅を合わせた六曜の一つです。もっとも縁起の良い日が大安、そして最も縁起が悪い日は仏滅ですが、友引は先勝と先負の間、ちょうど六曜の中間にありますから、良くもなければ悪くない日だと言えるでしょう。
友引は2つの意味を持っています。ひとつは「わざわいが友人に及ぶ」、そしてもう一つは「勝負をしても勝ち負けが決まらない」です。どちらの意味を見ても、あまり良い意味合いではありませんね。六曜の中間に位置しているから吉の日だと言える友引ですが、意味を知ってみると、気にしたほうが良さそうです。
友引で良くないとされている時間帯
友引の日は基本的には「吉」ですから、特に良くないという日ではありません。しかし、1日のうちには「凶」とされる時間帯があります。
友引で良くない時間帯は正午の前後1時間ずつ、つまり午前11時から午後1時までです。その2時間を除けば「吉」の時間なのでほとんどの時間が「吉」ですが、「凶」の時間帯があるということは覚えておきましょう。
何か行事などをするときはこの「凶」の時間帯を避けるよう気をつける他に、友引の日に気をつけたいのは不幸事や不祝事についてです。友引の日は不幸事、不祝事については時間帯にかかわらず「凶」とされていますから、不幸事、不祝事の日程を決めるときは避けるようにしてください。
友引の日にやっていいこと・悪いこと
友引には、やってよいことと、避けた方がよいとされていることがあります。ひとつずつ見て行きましょう。
○引越し
引越しをいつにしようか?と考えたときに、これからの新生活に悪いことが降りかかったりしないように、よい日を選びたいですよね。もちろん一番良い日といえば「大安」ですが、大安のお引越しは人気があってなかなか予約ができない上に値段も高めです。
友引は引越しにはおすすめの日です。お昼に2時間ほど「凶」の時間帯はありますが、一日の殆どは「吉」で何事もなく平穏に終わるとされている友引の日。引越しはすぐに終わるものではなく家族で引越す場合は1日かかったりしますから、平穏に終わる友引はおすすめですよ。ただし、凶の時間帯がありますから、ちょうどお昼の時間帯ですし、ちょっと手を休めて休憩しましょう。
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○結婚式・入籍
結婚は一生のものですから普段暦など気にしない人でも結婚式や入籍の日取りだけは六曜を気にする人も多いのではないでしょうか。引越し同様、大安が一番よいですが、結婚式や入籍についても友引はおすすめの日だとされています。
友を引く友引は「引く」という言葉が入っていることから不幸事には向きませんが、結婚式ならば幸せなものですから引いてもいいですよね。友引の結婚式や入籍は、大安の次の良いと言われています。
ただし、一つ気をつけなければいけないのが「凶」の時間帯です。ちょうどお昼時に当たるのが友引の日の「凶」の時間帯ですから、お昼の時間に結婚式をするのは避けるようにしましょう。
○納車
車を購入すると納車はいつがいいですか?と聞かれます。そう聞かれると、どの日が縁起が良いかな、と気になり始めたりするものです。車は大きな買い物ですし、納車の日はいい日を選びたいですよね。納車の日が自分で決められるのならいい日にしたいと思うでしょう。友引は特別に良いというわけではありません。けれど、一日のほとんどは悪いことが起きない平穏な日です。納車の日を選ぶ場合、友引は大安には負けるものの無難な日と言えるでしょう。
×葬儀・葬式・通夜
だいたいのことは何の問題もないとされている友引の日でもっとも気をつけるべきなのは、葬儀や葬式、そして通夜です。これは仏教とは特に関係がありません。葬儀や葬式、通夜のしきたりは仏教を重んじたものが多いので、友引の日は良くないというのも仏教の教えによるものでは、と思いがち。でも、実はこれは仏教徒は特に関係はありません。友引の日に葬儀や葬式、通夜を避けるのは、友引という漢字に理由があります。
友引は「友を引く」と書くことから、「友に影響を与える」という意味だと解釈され、葬儀を友引に行うと、「葬儀を友引の日に行ったことで、亡くなった人が友を連れて一緒に冥土に行ってしまう」という迷信が生まれました。特に年配の方などはこの迷信を気にしているようです。
現代人はあまり迷信にこだわりませんから、ただの迷信だったら葬儀や葬式を友引にしてもいいのでは?と考えるでしょう。たしかに最近はこだわらない人も多いです。でも、火葬場がお休みのところも多いですから、友引に葬儀を行いたいという場合は、火葬場などに確認したほうが安心です。また、年配の方は友引に葬儀を行うことを気にする方が多いので、年配の方が親族にいる場合は、友引の日は避けましょう。
○お見舞い
「友を引く」という言葉から葬儀などが良くないのならお見舞いも良くないのでは?と思ってしまいますよね。たしかに、年配の方は「友を引く」という言葉から「病気やケガが友に影響を与える」という言葉を連想し、気にするかもしれません。地域によって、友引のお見舞いを良くないとしているところもあります。
けれど最近では入院期間も短くなってしますし、迷信のことよりも入院している方は、友引かどうかは関係なく、お見舞いに来てくれたことをうれしいと感じるものです。ですから、お見舞いは友引であっても特に気にすることはないでしょう。
△法事
葬儀や葬式のときに友引を避けるならば、法事も同じではないかと思うかもしれません。しかし、法事については特に気にする必要はありません。法事は前倒しするのは良くても遅くなってはいけないものですし、出席者のことを考えると平日よりも休日に決めたいですよね。友引を選ばないとなれば、法事の日の選択肢が減ってしまいますから、友引を避けるよりも他の条件を優先して、考えたほうがよいです。
ただし法事を友引に行うことを良くないと思う人もいます。年長者で気にする方もいらっしゃるので、日付を決めるときは出席者や遺族に、友引でもいいかどうかは確認してから決めるようにしましょう。
友引の日も良くない時間帯を外せば大丈夫!
葬儀やお葬式については、火葬場が閉まっていることも多いため、友引の日は外した方が無難です。けれど、それ以外の結婚式や引越し、納車などについては、友引を選んでも特に何の問題もありません。午前11時から午後1時までという凶の時間は避けた方が良いですが、友引は基本的には吉の日ですから、あまり気にしなくても大丈夫です。
ただし、年長者の考えもありますから、年長者が一緒のときは一応、友引でもよいか、確認するようにしてくださいね。