十二支の動物に込められた意味と順番にまつわるエピソードをご紹介
毎年年賀状を書く時が来ると、「来年の干支はなんだっけ?」と思う人も多いのではないでしょうか。毎年変わる十二支、自分の生まれ年は十二支の中のどの動物なのかは答えられても、自分の干支以外の十二支を順番にすぐ答えられなかったり、どうしてその動物が十二支の中に入っているのか、聞かれるとわからなかったりしますよね。
そもそもどうして十二支に動物があてはめられたのでしょうか?十二支はどうしてこの順番になったの?知っているようで知らない十二支について改めて考えました。
十二支とは
十二支が使われるようになった歴史を紐解いてみると、始まりは非常に古く、使われ始めたのは紀元前の中国です。紀元前の1700年から1046年の中国、殷の時代では暦や時間を表す言葉としてこの十二支を使いました。
十二支の順番は以下の通りとなっています。
子(ね) 丑(うし) 寅(とら) 卯(う) 辰(たつ) 巳(み)
午(うま) 未(ひつじ) 申(さる) 酉(とり) 戌(いぬ) 亥(い)
どうして動物なの?
十二支にはどうして動物が使われているのでしょうか?でも子・丑・寅・卯という漢字を見ると、動物を表している字ではありませんよね。
十二支を表す漢字のほとんどは、動物とは全く関係がありません。十二支に使われている12の漢字は季節にかかわるものが選ばれています。どうしてそれらの漢字が選ばれたのかについてははっきりとわかっているわけではないのですが、これらの漢字は人間や植物の成長を表していると言われており、たとえば子は幼児を表し、丑は指先を強く握りしめている様子を表しています。
それなのにどうして動物を表す読み仮名がついているのか、それは覚えやすいように動物があてはめられたのではないか、と言われています。
中国との違い
中国で生まれて日本に伝えられた十二支、中国から伝えられたものですから十二支に使われている動物は中国でも日本でも同じに違いないと思いますよね。たしかに比べてみますと中国と日本の十二支に使われている動物は基本的に同じです。しかし、一つだけ例外があるのが「亥」です。
「亥」は日本ではいのししのことを指しますが、中国では豚です。どうして豚だったものを日本ではいのししを指すようになったのか、それは日本の習慣に理由があります。豚はイノシシを家畜化したものです。しかし日本では野生のイノシシがたくさん獲れたために、イノシシを家畜化して豚にする必要がありませんでした。なので日本人にとっては豚はなじみのものではなく、亥はイノシシとなったようです。
順番の由来
子(ね)からはじまって丑(うし)寅(とら)卯(う)辰(たつ)巳(み)午(うま)未(ひつじ)申(さる)酉(とり)戌(いぬ)亥(い)と続く順番はどうやって生まれたのでしょうか。この順番には由来としておもしろい昔話があります。
むかし、むかし、おしゃかさまが「新年に挨拶した動物から順に12匹、一年ずつその年を守ってもらい、それを十二支とする」と言われました。動物たちは新年のあいさつに行って、十二支の中に入れてもらおうと頑張ります。順番だとすると足の速い動物は良いですが、元々足が遅い動物にとっては不利ですよね。
そのため、牛は他の動物たちより早く出て一番を狙おうとしましたが、背中に乗ったネズミに先を越され、一番は午(ねずみ)になってしまいます。そして2番が丑、そしてその後は寅、卯、辰、巳と続き、十二支が決まったと言います。
動物の意味・由来
スポンサーリンク
十二支の中に含まれている動物、これらの動物にはそれぞれ以下のように大事な意味が込められています。
子(ネズミ)
ネズミは繁殖能力が高い生き物と言われています。確かにあっという間に数が増えますよね。繁殖率が高いということから、子(ネズミ)には子孫繁栄や拡大の意味が込められています。
丑(ウシ)
ウシは粘り強い、そして誠実を象徴する生き物です。ウシは辛抱の年で、その年を越えたら道が開けると言われています。
寅(トラ)
トラといえば強いイメージがありますよね。トラといえばまさに弱肉強食、勇ましさ、決断力を象徴しています。
卯(ウサギ)
ぴょんぴょんはねるウサギは、跳ね上がる、豊作を意味します。穏やかなウサギは家内安全の象徴でもあります。
辰(タツ)
他の動物とは違って幻の動物であるタツ、天に向かってのぼるタツは権力を表しています。
巳(ミ・ヘビ)
ヘビには広がるという意味があります。脱皮をすることから死と再生の象徴でもあります。
午(ウマ)
ウマは古くから人や荷物を運ぶ大事な生き物で、人にとって身近な存在でした。地を行く馬は人間の生活に欠かすことが出来ない動物の象徴です。
未(ヒツジ)
一匹ではなく群れで生活するヒツジ、ヒツジには家族安泰、そして穏やかという意味が込められています。
申(サル)
サルは神様の使いとして知られています。また、サル=去る、つまり厄が去ると言われており、サルの年には願掛けをするとよいと言われています。
酉(トリ)
時を知らせてくれる大切な生き物であるトリ。トリには親切で世話好きと言う意味が含まれており、また「とりこむ」にちなんで商売繁盛の象徴でもあります。
戌(イヌ)
人間と深くかかわってきたイヌ、人間を守って生きてきたイヌは忠誠心、そして安全と安心の象徴です。
亥(イノシシ)
イノシシの肉を食べると万病を防ぐと言われることから無病を象徴しています。また猪突猛進の性質から勇気や冒険の象徴ともされます。
これからの1年をどう過ごすかの参考にしよう
中国から伝わり、日本でも古くから伝えられてきた十二支。十二支の動物にはそれぞれ大事な意味が込められていることがわかります。毎年十二支は変わります。何も考えずに年始を迎えるのではなく、十二支それぞれの意味を考え、毎年どんな一年を過ごそうか、考えていきませんか。