みりんとみりん風調味料の違いは?使い分けのコツもご紹介
和食を作るときに欠かせない調味料の一つであるみりん。特に煮物を作るときは、コクやうまみをプラスするためにみりんは大活躍します。これがないと困るというぐらい、和食を作るのになくてはならないものですが、スーパーなどにみりんを買いに行くと、みりんとみりん風調味料とありますよね。あなたはどちらを買うか迷ったことはないですか?
みりんとみりん風調味料それぞれの特徴と違い、使い分けのコツをご紹介します。
本みりんとは
みりんは、蒸したもち米、米麹、そして焼酎などの醸造アルコールを加えて熟成させて作った醸造調味料です。みりん風調味料と区別するために「本みりん」と呼ばれることもあります。みりんにはアルコール分が13.5%から14.4%含まれていて、酒類に分類されます。米麹の酵素が熟成することによってもち米のでんぷんやたんぱく質を分解し、糖類やアミノ酸、有機酸などが作られて、みりんの風味を出しています。
みりんには糖分が約40%含まれており、戦国時代や江戸時代は甘いお酒として飲まれていたようです。みりんは中国で生まれたという説と、日本が発祥の地だという説があります。中国で生まれたという説によれば、中国の清明時代にあった「密淋(ミイリン)」という甘いお酒が戦国時代に琉球や九州地方に伝えられ、日本に広まったとされています。日本発祥説によれば、博多の「練貫酒(ネリザケ)」の腐敗防止策として焼酎が加えられるようになり、のちに本みりんになったといいます。
本みりんの特徴はまろやかな甘みです。分子量が小さいためにうまみ成分がしみこみやすく、本みりんを使って煮物を作ればコクとうまみがしっかりついたものになります。それ以外にも、料理にテリやツヤをつけるときにもみりんは最適です。みりんに含まれる糖分とアルコールには、肉や魚の臭みを消したり、煮崩れを防ぐ効果もあります。
和食を作るときには醤油とみりんで味をつけることが定番です。みりんを入れることで醤油のクセは和らぎ、ちょうどよい味にしてくれます。
みりん風調味料とは
みりん風調味料はもち米、米麹に水あめやブドウ糖などの糖類を加えて作ります。アルコール分は1%以下とほとんど入っていません。糖分は55%以上と多めで、みりん風調味料を使って料理を作れば、テリやツヤが出やすいです。アルコール分がほとんどないので、煮切る必要はありません。本みりんと比べて値段が安くお手頃な点は魅力の一つです。
みりんとみりん風調味料の違い
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みりんとみりん風調味料は成分から売っているお店、保存方法までさまざまな違いがあります。
アルコール度数
みりんはアルコールが14%ほど入っていることから酒類の一つに属しますが、みりん風調味料の中にはアルコールが1%未満とほとんど入っていないため、酒類ではなく調味料として分類されます。
売っているお店
酒類であるみりんは酒類販売免許のある酒店、またはスーパーなどのお酒のコーナーでしか手に入れることができません。しかしみりん風調味料は酒店でなくても売られており、スーパーでもお酒のコーナーではなく調味料コーナーに置かれています。
価格
酒類であることからみりんには酒税がかかります。しかしみりん風調味料ならば酒類ではないために酒税もかからず価格も安くて手頃です。
保存方法
みりんもみりん風調味料では、保存方法にも違いがあります。みりんはアルコールが入っていますから保存性が高いです。ですから開封後は常温に置いておいても特に問題はありません。しかし、アルコールがほとんど入っていないみりん風調味料は、保存性が悪いので同じように保存してはいけません。みりん風調味料は一度開封したら冷蔵庫で保存しましょう。そしてなるべく早く使い切るようにしてください。
使い分けのコツ
みりんはアルコールが入っているからこそ食材に味が浸透して臭みなども取ってくれます。臭いを消したいとき、しっかり味をつけたいとき、煮崩れを防ぎたいときはみりんを使うことがおすすめです。
みりん風調味料はドレッシングや和え物におすすめです。「煮切り」と呼ばれるみりんを使うときのアルコールを飛ばす手間をかけずにすみます。また体質上アルコールが苦手な方、または小さなお子さんがいてアルコールが心配だという方は、みりん風調味料なら安心して使えます。ただし、みりん風調味料は塩分が多めなので、塩分が多くなりすぎないように気を付けましょう。
料理によって使い分けよう
みりんとみりん風調味料は同じものだと思っていた人もいるでしょう。値段だけを見て安いからみりん風調味料にしよう、またはやっぱり本みりんが一番だとみりんしか買ったことがない人もいるのでは?
でも、アルコールの度数など比べてみると、2つは名前も用途も似ていますが違うものだということがわかります。みりんかみりん風調味料、どちらを買うかは自分が作る料理によって考えましょう。使い分けることによって料理はよりおいしく、作りやすくなりますよ。