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左と右はどちらが上位?左上右下の意味と国内外のマナー

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日本には昔から続いている礼儀作法のマナーがいくつかあります。知らなくてもすんでしまうこともありますが、やはり日本のしきたりはある程度知ってきたいですよね。

礼儀作法を考えたとき「あれ?どっち?」と迷ってしまうことが多いのが、右と左のどちらが上位なのか?ということです。

実は左と右のどちらが上位なのかについては、国によって考え方に違いがあります。左と右のどちらが上か、日本の伝統と国際儀礼の基本についてまとめました。

日本の伝統は「左上右下」

項目 説明
基本概念 左上右下(さじょううげ):左が上位、右が下位
起源 中国から伝わる思想
背景 唐の時代の中国思想:「天帝は北辰に座して南面す」
北辰の意味 北極星
皇帝の座り方 北極星を背にして南を向く
日の動き 太陽は東(左)から昇り西(右)に沈む
考え方の形成 日が昇る左が尊いから「左上右下」という考え方が生まれる
伝来時期 飛鳥時代
伝来経緯 遣唐使を通じて
日本での継承 飛鳥時代に伝わり、現代も継承される

日本の伝統では左上右下(さじょううげ)つまり「左が上位、右が下位」となっています。この考え方は中国から伝わったものです。

中国の唐の時代に、「天帝は北辰に座して南面す」という思想がありました。北辰とは、北極星のことを指します。

「皇帝は北極星を背にして南に向かって座るのが善い」というこの思想によれば、太陽は皇帝から見ますと、左に当たる東から昇って右に当たる西に沈みます。

日が昇る左のほうが日が沈む西よりも尊い、この考えから「左上右下」という考え方が生まれたようです。

中国から「左上右下」の考え方が伝わったのは飛鳥時代のことでした。

中国では左と右のどちらを上位とするかについては時代の流れによって、または王朝が変わったときなどに何度か入れ替わりましたが、

日本では飛鳥時代に遣唐使などを通じて伝えられた「左上右下」の考え方が、現在もなお受け継がれています。

右に並ぶものはない

項目 説明
表現の意味 誰にも劣らない、無二の存在
起源 「左上右下」の伝統に基づく
一見の矛盾 左上位なのに「右に並ぶものはない」という表現
家来の視点 王に仕える家来から見て、王の右には誰もいない
「左上右下」の観点 最も尊い人が左側にいるため、その右側には誰もいない

何かの分野でその人より優れた人はいない、というときに「右に並ぶものはない」という言い方をします。この言葉は「左上右下」の考え方から生まれたものです。

左上位なのに「右に並ぶものはない」と言うのは不思議な気がしませんか?これは、王に対する家来から見て右と言う意味です。

「左上右下」の考え方によれば、最も偉い人が一番左に来ます。つまり、見ている側からは、一番偉い人の右には誰もいないというわけです。

国際儀礼は右上位が基本

項目 説明
西洋の基本観念 右を上位、左を下位とする
言語の関連性 英語の「right」には「正しい」という意味がある
文化的な背景 欧州やアフリカでは右が善、左が悪とされる
例外 インドやインドネシアでは左手は不浄とされ、右手が用いられる
国際儀礼 右上位が基本となる
首脳会談 2国間の首脳会談やサミットでは右上位の立ち位置となる
オリンピック表彰台 金メダリスト中央、右側に銀メダリスト、左側に銅メダリスト

日本では「左上右下」そして中国では時代によって左右の上位が入れ替わる、ここまでわかったら次に気になるのは西洋の考え方ですよね。

西洋では日本の考え方と逆で「右を上位、左を下位」とする考え方が基本です。

右は英語で「right」と言いますよね。「right」には「正しい」という意味がありますし、欧州やアフリカでは右が善、左は悪という考え方があります。

たしかにインドやインドネシアでは、左の手は不浄の手で、ものを食べるときは右手を使います。左手を使うときは排泄の処理のときです。

西洋の考え方はそのまま国際間のルールとなりました。ですから国際儀礼においては右上位が基本です。

2国間の首脳会談、及びサミット(主要国首脳会議)の立ち位置を見ると、右上位になっていることがわかります。

また、オリンピックの表彰台でも、国際儀礼にのっとって、金メダリストを真ん中に、右側に2位の銀メダリスト、左側に3位の銅メダリストが並びます。

現在の日本では国内外のルールが併存している

項目 説明
伝統的なルール 日本古来の「左上右下」:左が上位、右が下位
国際儀礼のルール 西洋の「右上位」:右が上位、左が下位
併存開始時期 明治時代
皇室の影響 明治時代に皇室が国際儀礼を取り入れ、右上位が採用される
公式行事の影響 大正天皇の右側立ちが国際儀礼の採用を促進
雛人形の飾り方 関東と関西で異なる
京雛 男雛が左側、女雛が右側(左上右下)
関東雛 男雛が右側、女雛が左側(右上位)
地域的な差異 日本国内でも左右の位置が逆になる文化が存在

日本の伝統では「左上右下」になっていましたが、現在の日本では日本古来からのルールである「左上右下」と国際儀礼のルールである「右が上位、左が下位」が併存しています。

国内外のルールが併存するようになったのは明治時代のことでした。

皇室は明治時代に公式行事や御真影で国際儀礼を取り入れるようになったため、伝統の「左上右下」と西洋の「右上位」のマナーが両方、取り入れられるようになったのです。

公式行事の際、国際儀礼に基づいて大正天皇は右側にお立ちになりました。それ以来、右を上位とする国際儀礼が日本でも一般的になったと言います。

国内外のルールが併存している典型的な例が雛人形の飾り方です。関東と関西では雛人形の飾り方が違います。

京都を中心とした京雛は、男雛が左側、女雛が右側の「左上右下」の形を取っています。

しかし、関東雛は大正天皇が右上位を採用したときのことを基本にしているため、男雛は右側、女雛は左側です。同じ日本国内で、左右が逆になる飾り方が存在しているのです。

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ビジネスの場面では右上位が多い

項目 説明
伝統的なルール 日本の「左上右下」:左が上位、右が下位
国際儀礼のルール 「右上位」:右が上位、左が下位
正面からの視点 右と左の上位が逆になり混乱を招く可能性あり
現代の傾向 ビジネスシーンでは国際儀礼に従い「右上位」が多用される
席次の悩み フォーマルな場ではどちらを上座とするか迷うことも
解決策 年長者に相談し、伝統と国際儀礼のどちらを用いるか決める

日本の伝統では「左上右下」が決まりなのに、国際儀礼については「右上位」。

そもそも正面から見たときは向きが逆になってしまうために、右と左、どちらが上位なの?と混乱してしまうことが多いですね。

でも日本には「左上右下」「右上位」の2つの考え方があることはしっかり覚えておきましょう。

フォーマルな場の席次を考えるときなど、左と右のどちらを上座とすべきか悩んでしまうこともありますが、基本的に現在では国際儀礼を用いることが多いためにビジネスにおいては右上位にすることが多いようです。

でも、それぞれ人には考え方があります。右が上か、左が上か、悩んで迷ってしまっときは、年長者に相談するのもひとつの方法です。

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