ズワイガニの食べ方を茹で方からさばき方までご紹介
「カニの女王」と呼ばれるズワイガニは、甘みがあって磯の風味が強く、カニ本来の旨味が味わえるところが魅力です。
タラバガニはカニ味噌が取り除かれて売られていることが多いのに対し、ズワイガニはカニ味噌も美味しくいただけます。
ズワイガニはさまざまな調理法で楽しむことができます。茹でただけでそのままでもいいですし、生でお刺し身もよいでしょう。カニ味噌を味わうならば甲羅の味噌焼きなどもいいですね。
ズワイガニの種類と特徴、おいしく食べるための茹で方・さばき方についてお話します。
ズワイガニの食べ方
ズワイガニは茹でて食べるときは茹でてからさばきます。お刺身やカニしゃぶにする場合は、さばいてから調理します。
ズワイガニの茹で方
茹で方のステップ | 説明 |
---|---|
鍋の準備 | 大きめの鍋を用意する |
塩水の準備 | 3%の食塩水を鍋に入れて沸騰させる |
カニの前処理 | 生きている場合は30分真水につける |
カニの配置 | 甲羅を下側にして鍋に入れる |
茹で時間 | 再沸騰後、中火で15~20分茹でる |
冷却と保存 | 泡を水で流し、冷水や氷水で冷やしてから保存する |
ズワイガニを茹でるときは、大きめの鍋と3%の塩水を用意してください。
カニが生きている場合には、そのままお湯にいきなり入れて茹でると脚が折れてしまいます。必ず事前に30分ほど真水につけておきましょう。
茹でるときは大きめの鍋を使うのもポイントです。鍋の中に、まずは3%の食塩水を入れて沸騰させ、沸騰したらズワイガニを入れます。
甲羅を上にするとせっかくのカニ味噌が外に出てしまうので、甲羅は必ず下側にするのが鉄則です。再沸騰したら中火で15分から20分ほど茹でれば、完成です。
茹でたズワイガニは泡を水で流すとそのまますぐに食べられますが、保存する場合は一度冷水や氷水で冷やしてから冷凍、または冷蔵するようにしてくださいね。
ズワイガニのさばき方・むき方
部位 | 手順 | ツール |
---|---|---|
ふんどし(お腹の三角部分) | 包丁で切り取り、甲羅から外す | 包丁 |
カニ味噌 | 甲羅にまとめる | なし |
お腹の部分(エラの部分) | ガニを取り除き、手で割る。割り箸で身を取る | 割り箸 |
脚(細い部分) | 関節の手前と足の付根から端1cm切り落とし、足先を折って引っ張る | キッチンバサミ |
脚(太い部分) | 鉛筆を持つように持ち、上下に振る | なし |
ハサミ | 切り込みを何箇所か入れ、キッチンばさみで開き、身を取る | キッチンバサミ |
まずはお腹の三角の部分である「ふんどし」を包丁で切り取ります。お腹の真ん中あたりに包丁を当てて刃を入れると、ふんどし側からお腹をめくる感じで甲羅からふんどしを外します。
カニ味噌はとれた甲羅にまとめましょう。
ズワイガニの身はキッチンバサミで取り出していきます。お腹の部分はエラの部分であるガニを取り除いてから手で割き、割り箸を使って身をとっていきます。
脚の部分は、関節の手前と足の付根からそれぞれ端1cmぐらいを切り落とし、細い部分は足先を折って、引っ張って身を取り出します。
太い方は鉛筆を持つように持って上下にふると身が出てきます。ハサミの部分は切り込みを何箇所か入れた後、キッチンばさみを縦に入れて開き、身を取り出しましょう。
ズワイガニのおいしい食べ方
ズワイガニは生の活きズワイガニ、生のまま冷凍した「生冷凍」、そして解凍したらすぐに食べることができる「ボイル」があります。
種類 | 方法 | 特点 |
---|---|---|
刺身 | 脚の身をむき、氷水で5分冷やす。わさび醤油で食べる | 生ならではの新鮮な味 |
茹でガニ | ボイル済みは解凍してすぐ食べる。活きガニや生冷凍は茹でる | シンプルで美味しい |
焼きガニ | 脚の殻を蓋のように開け、炭火で焼く。カニ味噌も甲羅で蒸し焼きに | 濃厚な味わい |
カニ鍋 | 白菜、人参、新丈などの野菜と一緒に土鍋で煮込む | 冬にぴったり、旨味たっぷり |
カニ雑炊 | カニ鍋のスープが残った後で作る | 最後までカニ鍋の味を堪能 |
刺身
新鮮なズワイガニが手に入ったら刺身がおすすめです。
ズワイガニの脚の身をむいて、氷水に落として5分ぐらいすると花が咲いたようになりますから、わさび醤油でいただきます。生ならではの最高の味わいですよ。
茹でガニ
ボイルしたものを購入したなら解凍したらそのまますぐに食べられます。活きズワイガニや生冷凍のズワイガニなら茹でましょう。
味わいがあるズワイガニは、シンプルに茹でるだけでも、美味しさたっぷりです。
焼きガニ
脚の殻はすべてはずすのではなく、蓋を開けた感じにして炭火などで焼いていただきます。
カニ味噌を甲羅に入れて蒸し焼きにするのも、濃厚なカニ味噌の味を堪能できておすすめです。
カニ鍋
冬の寒い時期にぴったりのものがカニ鍋です。鍋の中にはカニの旨味がたっぷり出ますから、白菜や人参、新丈など野菜と一緒に土鍋で煮込みます。
スープが残った後は、カニ雑炊にして最後までカニ鍋を味わいましょう。
ズワイガニは身だけでなくカニ味噌もおいしい
特点 | 説明 |
---|---|
多様な食べ方 | 茹でる、焼く、鍋にする、新鮮なら刺身も |
手間と美味しさ | 身を取るのは手間がかかるが、その分おいしく感じる |
高級感 | 「カニの女王」とも言われ、少々高級 |
家族での楽しみ | お正月などの特別な時に家族で楽しめる |
カニ味噌の美味しさ | 身だけでなく、カニ味噌も楽しめる |
ズワイガニは身だけでなくカニ味噌も楽しめますし、料理の種類も豊富です。
「カニの女王」と言われるだけあってちょっと高級で手に入れることが難しいですが、ズワイガニが手に入ったら、茹でたり、焼いたり、鍋物に入れたり、新鮮ならば生で食べたり、とお好みの食べ方で食べましょう。
ズワイガニをさばいたり剥いたりするのはちょっと手間がかかりますが、手間をかけて身を出した後食べると、手がかかった分だけ、よりおいしく感じることができますよ。
カニはおいしいけれどむくのちょっと・・・なんて言わないで、お正月などにズワイガニをお取り寄せして、家族みんなでかに料理を楽しみませんか?
ズワイガニの種類
ズワイガニは本ズワイカニ、オオズワイガニ、紅ズワイガニの3つに大きくわけることができます。
本ズワイガニ(オピリオ)
特点 | 説明 |
---|---|
産地 | 北海道から山口県まで |
代表的なブランド | 松葉ガニ、越前ガニ |
漁期 | 新潟以北: 10/1-5/31, 富山以西: 11/6-3/20 |
旬 | 日本海側: 12月-3月, 北海道: 4月-5月 |
食感 | みずみずしく、繊細な柔らかさ、プルプル |
味 | クセのない甘み |
色 | 茹でるとオレンジ色、それほど赤くならない |
大きさ | 中程度 |
北海道から山口県の広範囲でとれるズワイガニが本ズワイガニ(オピリオ)です。
日本のカニはほとんどが本ズワイガニで、中でも松葉ガニ、越前ガニなどのブランドガニはタグ付けされて売られています。
日本でズワイガニ漁が解禁される日は地域によって異なります。
新潟県以北では10月1日から5月31日、富山県以西では11月6日から3月20日です。
旬を迎える時期は、日本海側でとれるズワイガニは12月から3月、そして北海道でとれるものであれば4月から5月が目安です。
本ズワイガニはみずみずしくて繊細な柔らかさがあり、食感はプルプルしています。
クセのない甘みで、どのような料理に使っても美味しく食べることができます。大きさは中程度で、茹でるとオレンジ色になり、それほど赤くはなりません。
カニビルとは?
カニビルとは | 黒いイボイボ状の寄生虫「ヒル」の仲間の卵 |
出現場所 | 主に日本海産のカニの甲羅 |
影響 | カニの味や品質に影響はなし |
対処法 | たわしでこするなどして取り除く(特にお客さんに出す場合) |
安全性 | ほとんどが孵化後の卵殻だけなので、安全 |
日本海産のカニの甲羅には黒いイボイボがついていることが多いです。このイボイボは何なのか、ついたままカニを茹でて大丈夫なのか、不安になりますよね。
この黒いイボイボは「カニビル」と呼ばれている寄生虫「ヒル」の仲間の卵です。
寄生虫と聞くと心配になってしまいますが、カニについているカニビルの卵は、ほとんど卵が孵化した後の状態ですから、卵の殻だけが残っている状態。
カニビルがついたまま茹でたり調理しても、カニの味や品質にはなんの影響も出ませんから、ご安心ください。
ただし、見た目には気持ちのよいものではないので、お客さんにふるまう場合には、たわしでこするなどして、あらかじめカニビルを取り除いておくと良いでしょう。
オオズワイガニ(バルダイ)
項目 | 説明 |
---|---|
産地 | ロシアやカナダ |
生息環境 | 深海 |
日本での入手 | 輸入品が主 |
サイズ | 大型 |
殻の色 | 茹でると赤色 |
肉質 | 脚が太く、肉厚 |
食感 | 歯ごたえあり、ぷりぷり |
味 | 濃厚で深みがある |
料理適性 | カニ鍋、かにしゃぶなど |
用途 | 高級料亭などで使われる |
その他 | 「幻のカニ」とも呼ばれ、流通量が少ない |
ロシアやカナダでよくとれる種類のズワイガニが、オオズワイガニ(バルダイ)です。
本ズワイガニ(オピリオ種)よりも深海に生息しています。日本ではほとんど取れず、輸入品がほとんどです。
名前のとおり大型のカニで、茹でると殻が鮮やかな赤色になるのが特徴です。
脚は太くて中に入っている身も大きく肉厚。歯ごたえがあってぷりぷりした食感で、味も濃厚で深みがあります。カニ鍋・かにしゃぶなどお鍋に適したカニです。
オオズワイガニは流通量が少ないため「幻のカニ」とも呼ばれ、大型のカニを好む関西地方では、高級料亭などで使われています。
紅ズワイガニ
項目 | 説明 |
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産地 | 日本海、北朝鮮、ロシア |
生息環境 | 深海 |
サイズ | 比較的小型 |
殻の色 | 茹でる前から全身が赤い |
漁期 | 長く、漁獲量も多い |
身の量 | 少なめ |
価格 | 比較的安い |
用途 | 缶詰の材料など |
特別品種 | 香住(かずみ)ガニ |
香住ガニの特徴 | 養分が豊富な海洋深層水で育ち、甘味が強く身が詰まっている |
ブランド | 香住ガニはブランドガニとして有名 |
日本海や北朝鮮、ロシアでとれるカニで、見た目は本ズワイガニとよく似ていますが、比較的小型で茹でる前から全身が赤いのが特徴です。本ズワイカニよりも深海に生息しています。
紅ズワイガニの漁期は長く漁獲量も多いです。身は少なめですが比較的安く、缶詰の材料にもよく使われています。
「安いカニ」と言うイメージがありますが、紅ズワイガニの中にも高級品があります。
香住漁港水揚げされたカニは「香住(かずみ)ガニ」と呼ばれ、ブランドガニとして有名です。
養分が豊富な海洋深層水で育った「香住(かずみ)ガニ」は、甘味が強く身が詰まっていておいしいことで知られています。