栗は、「秋の味覚」を代表するもののひとつですよね。茹でて食べたり、和菓子やケーキに入れるなどいろいろな使い方がありますが、ひと口に栗といってもいろいろな種類があるって知っていますか?世界には日本で好まれている和栗以外にも種類があり、和栗も幾つかの種類があります。栗にはどんな種類があるのか、おいしい栗の見分け方と保存方法など「栗」についてまとめました。栗好きだけど栗のことをよく知らないという方は必見ですよ。
?世界の栗の品種
世界において果樹として栽培されている栗の種類は全部で大きく分けて以下の4種類があり、世界四大栗と呼ばれています。
日本栗(和栗)
日本栗は野生のシバグリを品種改良したことによって生まれました。果実が大きく風味が良いことが大きな特徴です。甘みはそれほど強くはありません。食べ方としては皮をむかずに茹でて半分に割って中の実を食べるほかに、栗ご飯にしたり栗きんとんで食べるという方法があります。
西洋栗
西アジアまたは南東欧から生まれた西洋栗はイタリアやフランス、スペインなどで作られています。日本栗に比べて形は小さく、渋皮はむきやすく粘り気が少ないということが大きな特徴です。マロングラッセとして食べる他に、焼き栗として食べる方法があります。
アメリカ栗
北米が原産地の栗がアメリカ栗です。木は木材として使われ、果実は品質が良いと評価が高かったのですが、1904年に焼き枯れ病にかかって多くの栗の木がダメージを受けました。それ以来、市場ではほとんど見かけることができません。渋皮はむきやすくて果肉は甘みが強くて香りもよいのですが、日本では栽培できません。
中国栗
天津甘栗として知られている、中国河北地方が原産地の栗が中国栗です。実は引き締まっていて割れにくく、甘味は強くて渋皮は実に密着してはいません。炒ってから焼き栗として食べることが多いですが、硬いので調理しにくく、害虫の被害を受けやすい特徴があります。
和栗の種類と特徴
早生種(8月下旬から9月下旬収穫)
丹沢、国見などの種類がある早生種は、栗につく虫であるクリシギゾウムシの羽化が10月上旬のため虫の被害にはあいにくいです。味は甘みが少ないものが多くなっています。
中生種(10月収穫)
和栗の中でも品質に優れていておいしいのが中生種です。筑波や銀寄、利平などの種類があります。ちょうど虫の羽化の時期にあたることから虫の被害にあいやすいです。生産量の少ない利平は特に希少価値があり、茹でて食べると味わいは最高ですよ。
晩生種(10月いっぱい収穫)
和栗の中でもっとも遅くまで食べることができるのが晩生種で、石鎚や岸根などの種類があります。味は中生種と同じぐらい美味しく、加工用として使われることも多いです。渋皮は向きやすく扱いやすい栗です。
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「ぽろたん」って?
ぽろたんは2006年10月4日に発表されたまだ新しい栗の種類です。品種改良によって生まれたぽろたんは、和栗の欠点であった渋皮がむけにくいという特徴を改良し、加熱すればぽろっと渋皮はむけるので非常に使い勝手が良いのが特徴です。
おいしい栗の選び方
まずは実がつまっているか調べるために栗を持ち上げてみましょう。重みをずっしり感じるようならば、実がつまっている証拠です。次に栗の見た目をチェックします。実が丸くふっくらしていて皮の表面に光沢があればおいしい栗です。光沢がない栗は古い可能性が高いですし、虫が入っているかもしれません。
おいしい栗を見分けるためには、重みがあること、実が丸くふっくらしていること、そして表面に光沢があることを必ずチェックしてくださいね。

- ずっしりと重みがある
- 実が丸くふっくらしている
- 表面に光沢がある
栗の保存方法
栗拾いに行ったり栗をたくさんいただいたときには、上手に保存して長く楽しみたいですよね。栗の保存方法をご紹介します。
皮付きのまま保存する
よく洗ってから水気を切り、新聞紙にくるんで冷蔵庫に入れておけば、3ヶ月ほどは保存可能です。冷蔵庫に栗を入れる場所がないときは、冷暗所に水を用意して、その中に栗を入れておきます。水を毎日かえて、早めに食べ切るようにしてくださいね。
皮をむいて保存する
皮をむいた栗は氷水の中に入れてチルド室で保存します。皮をむいた栗はそれほど日持ちしないので、3日以内を目安に食べ切るようにしましょう。
冷凍する
栗を長く保存したい場合には、冷凍がおすすめです。水気を切ってから皮付きのまま冷凍庫で凍らせます。むき栗の場合は、かたゆでしてから冷凍庫に入れましょう。保存期間はだいたい半年を目安にしてください。
栗を食べ比べるのも楽しいかも♪
和栗にもかなりの種類がありますし、収穫した時期によって食べ方や味は大きく違います。9月になると少しずつ栗は市場に並ぶようになりますが、おいしいと言われている中生種や晩生種は10月が旬です。中生種も晩生種もそれぞれ幾つかの種類があり、どれも美味しさが少しずつ異なります。いろいろな栗を食べ比べてみるのも楽しいですね。
栗拾いなどに行ってたくさんの栗を持ち帰った場合、そのまま床に置きっぱなしにしていると味が落ちてしまいます。たくさん手に入ったら、下処理をして冷凍庫に入れておきましょう。少し手間はかかりますが、食べたい分だけ冷凍庫から取り出して食べればよいので、長く楽しむことができますよ。