焼き飯とチャーハンの違いは?由来から作り方・地域による違いまで
チャーハンと言えば、中華料理の中でも好きな人が多いメニューです。
具がたくさん入っていて、卵と一緒に油で炒められたご飯のチャーハン、家庭で作る方もいらっしゃるでしょうし、中華料理を食べに行ったら必ず注文するという方もいるでしょう。
大阪には「焼き飯」というものがあります。具が入っていて卵と一緒に焼いてあるご飯、それならばチャーハンと同じものなのでは?と思いますよね。
でもチャーハンと焼き飯は同じように見えて、全く違う食べ物なのです。チャーハンと焼き飯はどんなところが違うの?
大阪などで食べられる焼き飯と全国で見かけるチャーハン、この2つには境界線があるの?似ているようで別物のチャーハンと焼き飯についてまとめました。
焼き飯とは
項目 | 詳細 |
---|---|
地域 | 関西 |
用途 | お好み焼き屋の定番メニュー |
調理方法 | 鉄板で焼く |
関連料理 | お好み焼き、たこ焼き、焼きそば |
意味 | 飯を焼く料理 |
焼き飯は関西ならではの料理の一つです。
焼き飯とは「飯を焼く料理」という意味があります。大阪では鉄板の上で焼いて作るお好み焼きや焼きそばが有名ですが、焼き飯はそれらと同じくお店では鉄板を使って焼いて作ります。
関西では鉄板の上で作るお好み焼きやたこ焼きなどが昔からありましたから、ご飯も同じように鉄板で焼こうと考えたのでしょう。焼き飯は関西ではお好み焼き屋さんの定番メニューです。
チャーハンとは
項目 | 詳細 |
---|---|
起源 | 台湾のプラーカから派生 |
地域 | 中国料理、日本でも人気 |
調理方法 | 鍋で炒める |
主な具材 | 溶き卵、ご飯、肉類、野菜類、魚介類 |
調理のポイント | 短時間で仕上げる |
用途 | 残り物処理、家庭料理、店のメニュー |
人気 | 家庭料理としても店でも |
焼き飯は日本生まれですが、チャーハンは中国料理が日本に伝わったもので、始まりは台湾のお米料理である「プラーカ」です。
チャーハンを作るときは鍋を熱してから油をひき、溶き卵とご飯、ハム、焼豚などの肉類やネギなどの野菜類、または海老や蟹などの魚介類を混ぜて炒めて作ります。
パラッとさせるためには短時間で仕上げるのが良い料理です。具は色々なものが使えるために冷蔵庫の残り物を片付けるときにも使われるチャーハン。
お店でも人気があるチャーハンは、楽で作りやすいことから家庭料理としても人気があります。
焼き飯とチャーハンの違い
焼き飯とチャーハンは作り方に違いがあります。
項目 | 焼き飯 | チャーハン |
---|---|---|
調理法 | 焼く | 炒める |
主要器具 | 鉄板 | 中華鍋 |
卵のタイミング | 最後に追加 | 一番最初に入れる |
地域的呼び方 | 西日本 | 東海より東 |
境界線 | 琵琶湖東岸 | 琵琶湖東岸 |
歴史 | お好み焼き文化から発展 | 中国から伝わり、17世紀に日本に存在 |
地域文化 | お好み焼き屋のメニュー | 中華料理店や家庭料理 |
具のタイミング | 具を焼いてからご飯を追加 | ご飯と具を一緒に炒める |
呼び名の由来 | 焼きおにぎりと区別しない | 焼きおにぎりと区別する |
「焼く」か「炒める」か
焼き飯はその名前のとおり焼いて作るご飯ですし、チャーハンは漢字で炒飯と書くことからわかるように炒めて作るご飯です。
焼き飯作りには鉄板、チャーハン作りには中華鍋を主に使います。焼き飯は具を焼いてからご飯を入れてさらに焼いて味を整えるという方法で作りますが、炒飯はご飯と具は一緒に入れて手早く炒めて作るというのが特徴です。
卵が先かご飯が先か
焼き飯もチャーハンもどちらも卵を使いますが、入れるタイミングが焼き飯とチャーハンでは全く違います。
焼き飯を作るときは最初に卵以外の具材とご飯を入れ、焼いてから味を整え、その後に卵を入れます。
炒飯のように卵を一緒に絡め合わせることもあれば、卵焼きをのせるところもあります。
チャーハンを作るときは、卵は一番最初に入れるものです。
炒飯の作り方は、中華鍋で卵をふわふわに炒めてからご飯と具材を入れてすばやく炒め合わせることが特徴で、それから味を整えます。
チャーハンの場合はあくまでもご飯よりも卵が先なのです。
境界線はどこ?
焼き飯とチャーハンは作り方に違いはあっても、見た目はとてもよく似ています。
焼き飯しか知らない人、またはチャーハンしか知らない人もいますが、その境界線はどこにあるのでしょうか。
NHK放送文化研究所の「ことばのゆれ全国調査」の調べによれば、焼き飯という呼び方を使っているのは西日本、そしてチャーハンと呼んでいるのは東海よりも東の地域であることがわかりました。
つまり、境界線は琵琶湖東岸にあるということになります。どうしてその境界線が生まれたかは、焼き飯の歴史にあります。
東日本では17世紀ごろには焼き飯という言葉があり、それは焼きおにぎりのことでした。
その後、明治時代になってチャーハンが中国から伝わったのですが、焼き飯という言葉では焼きおにぎりと一緒になってしまうのでチャーハンという名前にしたようです。
一方、お好み焼き文化が定着している大阪など関西地域では、そのまま鉄板で焼くご飯を焼き飯と呼んで、今に至ります。
焼き飯とチャーハン、食べ比べてみると面白い
項目 | チャーハン | 焼き飯 |
---|---|---|
おすすめの食べ場所 | 中華料理店 | お好み焼き店 |
調理の簡単さ | 家でも簡単に作れる | 家でも簡単に作れる |
具材の利用 | 余った野菜やお肉、魚介類 | 余った野菜やお肉、魚介類 |
人気層 | 大人から子供まで | 大人から子供まで |
家での調理のポイント | 卵を先にふわっと焼いて炒める | 具とご飯を炒めて最後に卵を絡める |
逆の方法での調理の提案 | 卵を最後に絡めてみる | 卵を先に焼いて炒めてみる |
家庭でも冷蔵庫の中に余っていた野菜やお肉、魚介類などを入れて簡単に作ることができるチャーハンや焼き飯。どちらも大人から子供まで大人気の料理です。
チャーハンは中華料理店にあるパラっと中華鍋で炒めて作ったものが一番、焼き飯はお好み焼き店で鉄板で焼かれたものが一番、そう思っている人も多いでしょう。お店で食べると本格的な味が味わえていいですよね。
でも、お店も良いですが、家でも簡単に作れることがチャーハンと焼き飯の良いところ。
卵を先にふわっと焼いてさっと炒めてチャーハンに、具とご飯をしっかり炒めてから最後に卵を絡めて作る焼き飯。
たまにはいつもの逆を試してみては?食べ慣れたものも違った味に感じられるかもしれません。