勤労感謝の日とは?意味・由来から英語・イベントまでご紹介!
日本には現在、16日の祝日があり、勤労感謝の日はそのうちのひとつです。でも、「勤労感謝の日はどんな日?」と聞かれて、説明できる人は意外に少ないのではないでしょうか。
意味・由来からイベント、英語でなんと言うのかまで、意外に知られていない勤労感謝の日についてまとめました。
勤労感謝の日とは
勤労感謝の日は11月23日と定められています。
勤労感謝の日は、国民の祝日に関する法律で「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日となっています。
勤労感謝と聞くと、外で働いている人に感謝する日と思う方も多いでしょう。「勤労」とは、外で働くことだけを指すのではなく、生活を営む上で頑張っているすべての人を指しています。仕事の内容についても特に決まりはなく、肉体労働から研究職、文化的な功労、金銭には関係なくても精神的なサービスを与えるものまで、生産と呼ぶに値するすべてのことが含まれます。「国民たがいに感謝しあう」とされているのはそのためです。
勤労感謝の日の由来
現在の勤労感謝の日は、もともと「新嘗祭」という祭日でした。新嘗祭とは皇室の行事の一つです。新嘗祭の日には、その年の収穫を感謝して、翌年も豊作になりますようにと神様に願う行事が行われてきました。
しかし戦後、新嘗祭の祭日は勤労感謝の日と変わります。その理由は、GHQの政策にありました。神道色の強い宮中行事と、国民の行事を切り離そうと動いた結果、皇室の行事だった「新嘗祭」の祭日は廃止され、誕生したのが「勤労感謝の日」なのです。
ハッピーマンデーにならないのは?
祝日と土日が離れてしまうと飛び石のお休みになってしまうため、日本ではハッピーマンデーとして、祝日を月曜にずらして土曜日からの3連休にしている場合があります。「成人の日」「海の日」「体育の日」「敬老の日」などはそうですね。でも、どうして「勤労感謝の日」はハッピーマンデーにならないのでしょうか。
それにはしっかりした理由があります。戦後、新嘗祭が勤労感謝の日となったように、宮中で行われていた行事に由来する祭日のいくつかが名前を変えました。宮中の行事がもととなったものは、長い歴史があり、その日に行うことに大きな意味があります。そのため、祝日の中でも古くから行事として行われていたものは、今もハッピーマンデーにならずに固定されているのです。新嘗祭だった勤労感謝の日は今も、そしてこれからも11月23日に固定されています。
勤労感謝の日のイベント
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勤労感謝の日には、各地で秋の収穫を祝い、感謝するイベントが行われています。
新嘗祭
新嘗祭は宮中で行われる行事の中でも最も重要なものとされています。新嘗祭の日は、神嘉殿で天皇陛下が新穀をお供えして、神恩を感謝し、陛下自らも新穀をお召し上がりになります。お供えする新穀の中には、天皇陛下自らが栽培されたものもあります。
新嘗祭は宮中だけでなく、伊勢神宮や出雲大社でも行われます。伊勢神宮には勅使が参向されてお米などの穀物がお供えされお祭りが行われます。出雲大社にはその年に収穫された新穀を出雲国造が神前に供え、自身も食べて神恩を感謝します。
どぶろく祭り
日本では古来より、収穫されたお米と一緒にどぶろくを作ってお供えし、来季の豊穣を祈ることが行われて来ました。今も各地の神社でどぶろく祭が行われています。
- 青沼春日神社「どぶろく祭」(茨城県)
1200年前に氏子たちがどぶろくを造って捧げたことから生まれたこの「どぶろく祭り」では、毎年200リットルものどぶろくが作られ、一般参拝客たちに振る舞われます。 - 大森神社どぶろく祭り(三重県)
五穀豊穣を祝って神事が10時頃から行われた後、どぶろくが振る舞われます。 - 新嘗祭どぶろく祭り (東京都築地 波除神社)
石川県にある白山の鶴来の御神饌田でとれた稲を使ったにごり酒が振る舞われます。
柳井秋祭り(山口県)
秋の収穫をお祝いして秋祭りが開かれます。
鯛めしやタコおこわなどの食の他に、矢場や射的などの白壁江戸祭り、花傘踊りのパレードが見事です。
勤労感謝の日を英語で言うと?
勤労感謝の日を海外の方に説明するとしたら、どんな風に伝えたらよいでしょうか?
日本の勤労感謝の日は、収穫を感謝する「Thanksgiving Day」と収穫に携わった農民たちの労をねぎらって労働者を讃える「Labor Day」をあわせた形となっています。つまり、日本の勤労感謝の日は、そのまま英語に直訳すれば「Labor Thanksgiving Day」となります。
「Labor Day」とは、厳しい労働条件を強いられていた労働者たちの中のひとりだった大工のピーター・マクガイヤー氏が労働組合の労働者を指揮してストライキを行った結果、一日8時間労働などの権利を勝ち取ったことに由来し、9月の第1月曜日と決められています。アメリカではこの日は学校などもお休みになり、労働者を讃えて大きなパレードなどが行われます。
「Thanksgiving Day」は、イギリスからアメリカに移住したピルグリムたちがはじめての収穫を神様に感謝して行ったお祭りが起源です。
アメリカでは11月に「Thanksgiving Day」つまり感謝祭という大きなお祭りがあります。イギリスからアメリカに移住したピルグリムたちがはじめての収穫を神様に感謝して行ったお祭りが起源です。アメリカでは11月の第4木曜日と定められています。感謝祭の日には家族や友人たちとごちそうを食べ、アメフトを感染したりショッピングを楽しみます。
勤労感謝の日は頑張って働いている人達をねぎらい、感謝し合おう
自分のために、そして家族のためにみんな頑張って働いています。毎日働いているとそれが当たり前になってしまっていますが、勤労感謝の日は、そんな頑張っている自分や家族をねぎらい、お互い感謝し合って過ごしましょう。勤労感謝の日には各地で新嘗祭やお祭りが開かれます。お祭りを見に行って楽しむのも良いですし、せっかくのお休みですからたまには家でのんびり過ごすのも良いでしょう。勤労感謝の日は、楽しく、またはのんびりゆったりとした時をお過ごしくださいね。