ヴァーノチュカとは?世界のクリスマスパンをご紹介!
クリスマスに用意する食べ物といえば、クリスマスケーキに、チキンに、あともう1つクリスマスならではのパンがあります。クリスマスのパンにはいくつかの種類がありますが、その一つにあるのがヴァーノチュカです。
日本ではまだなじみが少ないかもしれませんが、ヨーロッパでは古くからクリスマスのパンとして定番であったヴァーノチュカ。ヴァーノチュカとはどんなパンなの?そもそもクリスマスにはどうしてパンを食べるの?ヴァーノチュカ以外のクリスマスのパンについてもご紹介します。
ヴァーノチュカとは
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ヴァーノチュカとは、チェコ共和国ではクリスマスにおなじみの、9本の生地が編み上げられたパンです。チェコの首都のプラでではクリスマスマーケットが11月末から始まり、クリスマスからヴァーノチュカが食卓に飾られます。家庭によってヴァーノチュカの食べ方はそれぞれですが、12月24日のクリスマスイヴの日は飾りとして、25日のクリスマスは朝食から家族みんなで食べるのが一般的です。
ヴァーノチュカはかつて厳格な式にのっとって作られていました。9本に分けられた生地には大地や水などの自然から愛情や知恵までさまざまな意味が込められています。ドライフルーツが入っているので香りが良く、食べるときはバターやジャムをたっぷり塗って食べるとおいしいです。
クリスマスにパンを食べるのはなぜ?
日本ではクリスマスと言えばごちそうを食べたりプレゼントをもらったり、恋人とデートをする日というイメージがありますが、本来のクリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う日です。主食がパンであるヨーロッパでは記念日にパンを食べるという習慣があり、キリスト教の国ではイエス・キリストの誕生を祝って、クリスマスにはパンを食べます。
クリスマスに食べるパンは国によって異なりますが、シナモンなどのスパイスが使用されているパンが多いです。スパイスには健康維持や魔よけを願う意味も込められています。
クリスマスのパンといえば?
ヨーロッパの国々でクリスマスによく食べるパンをご紹介します。
シュトーレン
ドイツやオランダで主に食べられているクリスマスのパンがシュトーレンです。その楕円形の形はキリストが寝る枕、またはキリストがおくるみに包まれている状態を表している、とされています。生地には洋酒やドライフルーツがたっぷり使われており、表面には砂糖がまぶされています。
シュトーレンはアドベント(降臨節/待降節)と言われているクリスマスの4週間前の日曜日からクリスマスの当日にかけて、という非常に長い期間にわたって食べられます。長い期間をかけて食べるのはキリストの誕生を待ちわびるという意味が込められています。長持ちさせるため腐りにくいように、生地は洋酒やドライフルーツが使われています。
パネトーネ
イタリアで食べられているクリスマスのパンはパネトーネです。パネトーネは1500年ごろミラノで誕生したのではないかと言われています。ドイツのシュトーレンと同じく、アドベントからクリスマスにかけて長い期間食べます。
名前の意味には2つの説があります。1つはパンを表すイタリア語である「パーネ」そして大きいという意味を表す接尾辞の「オーネ」がついて大きなパンという意味からパネトーネとついたという説です。そしてもう1つの説はミラノで貧しいパン職人であったトニーが出世したことからその名前をとってトニーのパンという意味の「パーネディトーニ」からついたという説です。
パンドーロ(黄金のパン)
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パネトーネと並んで12月になるとマーケットに並べられるイタリアの菓子パンがパンドーロです。パンドーロは卵黄とバターをたっぷり使って作られていることから美しい黄色をしています。
パンドーロは黄金のパンを意味しています。パンドーロのはじめは18世紀ごろ、ヴェローナの一般家庭で作られていた菓子であるナダリンが、貴族が食べるようになったことで金箔でおおわれた円錐型のパン・デ・オーロに変化し、のちに大衆化してパンドーロとなったと言われています。
コキーユ・デュ・ノール
フランスのノール地方で古くから作られてきた伝統的なブリオッシュがコキーユ・デュ・ノールです。12月6日の聖ニコラの日からクリスマスまで食べられます。聖ニコラはサンタクロースの起源になったと言われています。コキーユ・デュ・ノールは大きな丸い生地の両側に小さな丸い生地がついたキャンディみたいな形が特徴です。これはキリストのおくるみを表していると言われています。
コキーユ・デュ・ノールはパールシュガーが生地に混ぜ込んであるため、食べるとほのかな甘みが感じられます。
ケーキだけでなくパンも楽しもう
クリスマスはいつもお出かけ、という方も、たまには家でまったり過ごすのもよいものです。ケーキだけでなくクリスマスならではのパンと料理を用意して、ヨーロッパの家庭のようにお祝いしてみませんか?家族で、友達と、または恋人同士で、ご馳走を食べながら素敵なクリスマスをお過ごしください。