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「香害」とは?柔軟剤のニオイから身を守る対策について考えてみた!

洗濯した洋服やタオルなどをふんわりさせるために、または心地よい香りをつけるために洗剤で洗った後に柔軟剤や芳香剤を使っている、というご家庭も多いのではないでしょうか。タオルに顔を当てるとふんわりしてほんのり良い香りがしたら気持ちいいですよね。でも、その香りで健康被害が起きることをご存知ですか?

「柔軟剤がどうして?」疑問に思っている方のために、柔軟剤などが体にもたらす「香害」についてまとめました。

「香害」とは

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、香害とは主に柔軟剤や芳香剤などの香りつきの製品が原因となって起こる健康被害のことを指します。香りの感じ方は人によって違いますよね。自分にはちょうどよい心地よい香りだったとしても、他の人にとっても同じ感覚だとは限りません。

香害の症状でよくあるのが頭痛や吐き気、アレルギー性皮膚炎です。自分が柔軟剤を使っていなかったとしても、たとえば隣の家の干している洗濯物から柔軟剤のにおいがしてきた、または電車の中で隣になった人の服から柔軟剤のにおいがしてきた、そんな理由で咳がひどくなってしまったり頭痛が出てしまったりします。ですから、香りに弱いから自分は柔軟剤や芳香剤を使わない、と言うだけではすまない問題です。

香害の原因

「香害」は、香り製品に含まれている人工香料が原因で引き起こされる化学物質過敏症のひとつです。ドラッグストアなどに行くと、たくさんの種類の柔軟剤や芳香剤が売られていますよね。芳香剤や柔軟剤に使われている香料は10種類以上と言われ、そのほとんどが合成香料です。「合成ムスク類」と呼ばれるこれらの物質は、分解しづらく、人体への蓄積も懸念されています。

また、多くのご家庭では、香り製品をきちんと計量せずに使っており、中には標準使用量の2倍以上使っているケースもあるようです。「使い過ぎ」も香害の大きな原因になっています。

香害の背景にあるものは?

香害は「いい香り」が原因で起こるのが特徴です。では、いい香りが求められ、問題になってきたのには、どのような背景があるのでしょうか。

香りブームが背景に

2008年、P&G社製の柔軟剤「ダウニー」が人気となり、国内の大手メーカーからも香り付き柔軟剤が次々と発売されました。どうして香りつき柔軟剤がこれほどまでに人気が出たのか?と言うと、働く女性の増加により「部屋干し」が増えたことが挙げられます。

外で干すのと違って、洗濯物を部屋の中に干すと独特のにおいがしますよね。この「部屋干し臭」と呼ばれる特有のニオイを消すために、長時間「いいニオイ」が持続する柔軟剤はうってつけだったのです。部屋干しせざるを得ない主婦のニーズを背景に、香りブームが始まったと言えるでしょう。

退職に追い込まれた事例も…

香りブームで香りのあるものが人気になってきた一方で、香りをかぐと頭痛がするなど、香りに悩まされる人が増えています。日本消費者連盟が開設した「香害110番」には、香りで悩んでいる方から多くの相談が寄せられました。相談者の中には、柔軟剤のことを「柔軟剤テロ」と呼ぶほど脅威に感じている人もいるほどです。

香りをどう感じるかは人それぞれです。香りが多少強くても気にならない人がいるかと思うと、ちょっと香るだけでも気になる人もいます。香りが気にならないタイプの方にとっては、香りで体調が悪くなるなんて理解しがたいですよね。ときには「わがまま」と捉えられて、周囲から孤立するケースもあるようです。中には、職場の協力が得られなかったり、満員電車に乗れないなどの理由で退職を余儀なくされる例も出ています。

北米・カナダでは規制の動き

「香り」による健康被害について、北米やカナダでは規制する動きが出ています。デトロイトでは市職員が健康被害を受けたことをきっかけに、市職員の香料使用を禁止。ポートランドでは職員に使用の自粛を呼び掛けています。カナダではハリファックス市が職場での香料不使用を宣言しているほか、企業・学校・病院での香料不使用の動きが広がっているようです。

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香害の診断と治療

化学物質過敏症は、問診や採血などの検査により総合的に判断されます。検査できる病院は限られているので、事前に病院に電話をかけて検査が可能かどうか確認してから受診するようにしましょう。

化学物質過敏症は、薬などで完治させるのは難しい症状です。治療は薬で症状を押さえたり、食事や生活習慣を改善することが中心となります。

香害の対策

香害は、柔軟剤などに入っている香料など、原因となっている化学物質を避けることが最も効果的な対策法です。香害の原因物質は、インフルエンザや風邪のウイルスのようにマスクや空気清浄機で取り除くことができません。香害を防ぐためには、次のような方法があります。

無香料の製品を選ぶ

香害を引き起こすものとしてもっとも有名なのは柔軟剤ですが、香り成分は柔軟剤だけでなく、化粧品やシャンプーにも入っています。シャンプーなどは特によい香りのするものを選びたくなりますが、人工の香料は香害を引き起こす可能性があります。なるべく人工の香料を使わずに作られている無香料のタイプのものを選ぶようにしましょう。

人工香料の替わりにアロマオイルを使う

無香料のものがおすすめと言っても、やはり香りを身にまといたいときもありますよね。香りが欲しい場合には、アロマオイルをほんのり香る程度に使うのがおすすめです。

「部屋干し臭」対策にはセスキ炭酸ソーダ

働く女性達は洗濯をするとき、外に干せませんからたいてい部屋干ししていることと思います。部屋干しのなんとも言えない不快なにおいをなくすために、香料を使う方は多いですが、香りで不快なにおいを消すと言うよりも、香りをなくすことを考えましょう。

部屋干し臭をなくすのに効果があるのが、セスキ炭酸ソーダです。セスキ炭酸ソーダは皮脂の汚れを中和する働きがあり、汚れや皮脂を浮かしてしっかり落とすことができます。部屋干し臭は、洗濯物に残った汚れが雑菌に分解されて発生する臭いなので、皮脂汚れが落ちていれば部屋干しの嫌なにおいもなくなります。使い方は洗剤と一緒に入れて洗うだけですから、簡単です。

セスキ炭酸ソーダは部屋干しの臭い対策になると言うだけでなく、汚れを浮かして取ることができるため掃除にも使えるので重宝しますよ。使える場所はいくつもありますから、セスキ炭酸ソーダは常備しておくと安心です。

職場では上司に相談

職場で香害を指摘する場合には、誰がどんな風に伝えるかが非常に重要なポイントです。職場はこれから長く付き合っていく場所ですから、人間関係の揉め事は避けたいですよね。

話をするときは、においをどうにかしてくれと言うよりも、自分がニオイに弱いことを率直に伝えて、相手にわかってもらえるよう心がけましょう。強い言い方は避けて、言い方には配慮してください。争いを避けるためには、まずは信頼できる上司に相談し、上司から話を伝えてもらうようにするのもよい方法です。

一人ひとりが「香りのマナー」を

ほんのり良い香りがするのはいいものですが、だからといって周りの人の健康を害するようでは困りますよね。一人ひとり香りについての感じ方は異なります。自分は良くても周りの人に不快な思いを抱かせたりすることがないよう、香りのマナーについても考えてみましょう。

香り付き柔軟剤は、部屋干し臭を予防する手軽で効果的なアイテムですが、使い過ぎには注意が必要です。柔軟剤を使うときは適量を使うこと、そしてセスキ炭酸ソーダを使うなど香料を強くしなくても嫌なにおいを無くす方法を積極的に利用しましょう。香害をなくすために自分は何ができるのか、香りのマナーを意識して毎日を送ってくださいね。

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