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日本の地域区分が面白い!いろいろな区分をご紹介

東から西に長く連なっている日本は8つに分けることが基本ですが、それ以外にも大きく2つに分けたり、3つに分けたりなど、分けて言い表すことがあります。

それ以外にも選挙や天気予報など行政の地域区分を見ても分け方はそれぞれ異なりますし、JRや電力会社、電話番号の市外局番など、民間企業の地域区分もそれぞれ違います。

これらの地域区分はそれぞれどういう分け方をされているか、ご存知ですか?

いろいろある日本の地域区分について、それぞれがどのような分け方をされているのか、まとめました。歴史的な地域区分である五畿七道についても合わせてご紹介します。

日本の地域区分は8が基本

日本の地域区分は8が基本となっており、8地方区分と呼ばれています。分け方は次のとおりです。

  • 北海道 北海道
  • 東北地方 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
  • 関東地方 東京都 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 神奈川県
  • 中部地方 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県
  • 近畿地方 京都府 大阪府 三重県 滋賀県 兵庫県 奈良県 和歌山県
  • 中国地方 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県
  • 四国地方 徳島県 香川県 愛媛県 高知県
  • 九州地方 福岡県 佐賀県 長崎県 大分県 熊本県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県

基本的には8つに分かれていますが、中国地方と四国地方を一緒に中国・四国地方として7地方区分が用いられることもあります。北海道地方には北海道だけが含まれています。

明治時代4年間だけ北海道を3つに分けて、函館県、札幌県、根室県とした時期もありましたが、それ以降は北海道は分かれることなく1つのものと考えられています。

大きく2つ・3つにわけることも

8つにわける分け方以外に、日本全体を大きく2つ・3つにわける分け方もあります。

2区分

区分方法 含まれる地方 特徴・その他情報
東日本と西日本 東日本: 北海道、東北、関東、中部

西日本: 近畿、中国、四国、九州

東京と大阪が2大都市圏としての軸
太平洋側、日本海側 本州が山脈によって分けられる 太平洋側は夏に雨が多く、日本海側は冬に雨が多い
表日本と裏日本 表日本: 東京側

裏日本: 日本海側

1970年代後半からはあまり使われなくなった。差別用語の疑問も

基本的には8区分の日本を大きく2つに分ける方法はいくつかあります。

2区分の中で最も主流のものは東日本と西日本という分け方です。

東日本には8区分のうちの北海道、東北地方、関東地方、そして中部地方までが含まれ、西日本には近畿地方、中国地方、四国地方、九州地方が含まれます。

東日本と西日本という分け方は、東日本の中心である東京と西日本の中心である大阪の2大都市圏が軸となっています。

それ以外の2区分の方法に太平洋側、日本海側という分け方があります。本州は真ん中に山脈が長く連なって伸びているために日本海側と太平洋側に分けられます。

太平洋側は夏に雨が多く日本海側では冬に雨が多い、というように太平洋側と日本海側は気候が異なります。

もう一つの分け方に表日本と裏日本という分け方があります。現在はあまり使われない分け方ですが、高度経済成長時代によく使われていた分け方です。

日本の首都である東京を表として、反対側にある日本海側を裏としたこの分け方ですが、差別用語ではないか、という苦情もあり、1970年代後半ごろからは使われなくなりました。

3区分

区分方法 含まれる地方 特徴・その他情報
東日本、中日本、西日本 東日本: 北海道、東北、関東、中部

中日本: 中部、近畿、神奈川(場合により)

西日本: 近畿(神奈川除く)、中国、四国、九州

交通、三大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)をもとに分類
北日本、東日本、西日本 北日本: 北海道、東北

東日本: 関東、中部、三重

西日本: 近畿(三重除く)、中国、四国、九州

気象情報で用いられる

東日本と西日本という2区分にもう1つ中日本を足して3区分という分け方があります。この分け方は特に法令などで定められている分け方ではなく、中日本の定義は曖昧です。

この3区分は交通や三大都市圏である首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)、中京圏(愛知、岐阜、三重)、近畿圏(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山)の経済圏をもとに分類されています。

一般的に中日本といえば中部地方と近畿地方が含まれるのですが、加えて神奈川県が含まれることもあります。

もう一つ3区分の方法には東日本と西日本に北日本を足したものがあります。この分け方は気象情報で用いられています。

分け方は、北日本に北海道と東北地方、東日本に関東地方と中部地方と三重県、西日本に近畿地方(三重以外)、中国、四国地方、そして九州地方です。

行政の地域区分

行政上も、目的によりいくつかの地域区分があります。

選挙

衆議院比例代表制選挙区、そして比例ブロックでは11地域に分かれます。

日本の中心である関東地方には人口が集中しているため、8区分のまま選挙をすると人口比にかなりの違いが出てしまいます。

そのため、選挙においては関東を3つに分けた次のような11地域区分となっています。

  • 北海道  北海道
  • 東北  青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島
  • 北関東  茨城 栃木 群馬 埼玉
  • 南関東  千葉 神奈川 山梨
  • 東京  東京
  • 北陸信越  新潟 富山 石川 福井 長野
  • 東海  岐阜 静岡 愛知 三重
  • 近畿  滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山
  • 中国  鳥取 島根 岡山 広島 山口
  • 四国  徳島 香川 愛媛 高知
  • 九州  福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄

国税局

国税局は日本の都道府県を次のような12の地域に分けています。国税局の場合は九州を福岡、熊本、沖縄の3つに分けています。

  • 札幌国税局  北海道
  • 仙台国税局  青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島
  • 関東信越国税局  茨城 栃木 群馬 埼玉 新潟 長野
  • 東京国税局  千葉 東京 神奈川 山梨
  • 金沢国税局  富山 石川 福井
  • 名古屋国税局 岐阜 静岡 愛知 三重
  • 大阪国税局  滋賀 奈良 和歌山 京都 大阪 兵庫
  • 広島国税局  岡山 広島 鳥取 島根 山口
  • 高松国税局  香川 徳島 愛媛 高知
  • 福岡国税局  福岡 佐賀 長崎
  • 熊本国税局  大分 熊本 宮崎 鹿児島
  • 沖縄国税事務所  沖縄

陸上自衛隊

陸上自衛隊ではなにか起きた場合にすぐに部隊が対処できるように、日本列島を5つに分けて配置を考えています。

中部方面隊の中には中部地方、近畿地方、四国地方、中国地方まで含まれているため、県の数は非常に多いです。

  • 北部方面隊  北海道
  • 東北方面隊  青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島
  • 東部方面隊  茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 山梨 長野 岐阜 静岡 新潟
  • 中部方面隊  富山 石川 福井 愛知 三重 滋賀 奈良 和歌山 京都 大阪 兵庫 岡山 広島 鳥取 島根 山口 香川 徳島 愛媛 高知
  • 西部方面隊  福岡 佐賀 長崎 大分 熊本 宮崎 鹿児島 沖縄

天気予報

気象庁が天気予報で用いる区分は4区分となっています。

日本を北海道、東北、関東甲信、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州北部、九州南部、奄美沖縄の11に分類し、それを4地域に集約しています。

九州南部に位置する奄美は沖縄と同じ地域となっています。

  • 北日本  北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
  • 東日本  東京 栃木 群馬 埼玉 茨城 千葉 神奈川 長野 山梨 静岡 岐阜 三重 愛知 新潟 富山 石川 福井
  • 西日本  京都 大阪 兵庫 奈良 滋賀 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 香川 愛媛 徳島 高知 山口 福岡 大分 佐賀 熊本 長崎 宮崎 鹿児島の大半
  • 沖縄・奄美  鹿児島の一部、沖縄

民間企業の地域区分

民間企業でもさまざまな目的で、日本をいくつかの地域にわけているケースがあります。

電力会社

電力会社は10区分となっています。

香川県小豆島や愛媛県今治市のしまなみ街道のある島部に電力を供給する場合は中国地方から供給しているため、香川県と愛媛県は中国電力と四国電力に分かれています。

また、広島県イオン宇品店には例外として中国電力からではなく九州電力から電力が供給されています。

  • 北海道電力  北海道
  • 東北電力  青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 新潟
  • 東京電力  群馬 栃木 茨城 埼玉 東京 千葉 神奈川 山梨 静岡の富士川以東
  • 北陸電力  富山 石川県、福井県の大半、岐阜県の一部
  • 中部電力  長野 岐阜の大半 静岡の富士川以西 愛知 三重の大半
  • 関西電力  京都 大阪 滋賀 兵庫の大半 奈良 和歌山 福井の一部 三重の一部
  • 中国電力  広島 山口 島根 鳥取 岡山 兵庫の一部 香川の一部 愛媛の一部
  • 四国電力  香川 徳島 高知 大分 佐賀 宮崎 熊本 鹿児島 広島の一部
  • 沖縄電力  沖縄

JR

JRは6社に分かれています。2つ以上の会社が管轄している境界駅があることが特徴です。

境界駅には中小国駅(JR北海道とJR東日本)、猪谷駅(JR東海とJR西日本)、甲府駅(JR東日本とJR東海)、塩尻駅(JR東日本とJR東海)、辰野駅(JR東日本とJR東海)、南小谷駅(JR東海とJR西日本)、亀山駅(JR東海とJR西日本)、新宮駅(JR東海とJR西日本)、下関駅(JR西日本とJR九州)、児島駅(JR四国とJR西日本)があります。

  • JR北海道  北海道 中小国駅(青森)
  • JR東日本  青森の大半 岩手 秋田 宮城 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川の大半 新潟県の大半 山梨の大半 長野の大半、伊東線熱海駅から伊東駅の8駅(静岡)
  • JR東海  御殿場線国府津駅から谷峨駅(神奈川) 猪谷駅(富山) 身延線甲府駅から十島駅まで(山梨) 中央本線塩尻駅から田立駅の18駅と飯田線辰野駅から中井侍駅(長野) 岐阜 静岡の大半 愛知 三重の大半 東海道本線柏原駅から醒ケ井駅までの3駅(滋賀) 新宮駅(和歌山)
  • JR西日本 大糸線糸魚川駅から平岩駅(新潟) 大糸線北小谷から南小谷駅(長野) 富山の大半、石川 福井 滋賀の大半 関西本線亀山駅[境]から島ヶ原の8駅(三重) 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山の大半 岡山の大半 広島 鳥取 島根 山口の大半
  • JR四国 児島駅(岡山) 香川 徳島 高知 愛媛
  • JR九州 下関駅(山) 福岡 長崎 大分 佐賀 宮崎 熊本 鹿児島

電話番号の市外局番

電話番号の市外局番は9区分になっています。

固定電話の契約数に応じて区割りをしているため、人工と事業所が集中している東京都と大阪府は独立しており、その反対に北海道と北東北の青森、岩手、秋田の3県は同じ区分となっています。

  • 01  北海道 青森 岩手 秋田
  • 02  宮城 山形 福島 茨城 栃木 群馬 新潟 長野
  • 03  東京都(23区と一部の市)
  • 04  埼玉 千葉 神奈川 東京都(23区以外)
  • 05  山梨 岐阜 静岡 愛知 三重
  • 06  大阪(大部分)、兵庫県尼崎市
  • 07  富山 石川 福井 三重県(一部)、滋賀 奈良 和歌山 京都 大阪(一部) 兵庫
  • 08  岡山 広島 鳥取 島根県 山口 香川 徳島 愛媛 高知
  • 09  福岡 佐賀 長崎 大分県 熊本 宮崎 鹿児島 沖縄

サッカー

サッカーは日本を9区分に分けています。

日本を分けたときにどちらにしたらよいか迷う中間に位置する中部地方ですが、サッカーは新潟県と長野県を北信越に、三重県は東海、山梨県は関東に区分しています。

  • 北海道  北海道
  • 東北  青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島
  • 関東  茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉、東京 神奈川 山梨
  • 北信越  新潟 富山 石川 福井 長野
  • 東海  岐阜 静岡 愛知 三重
  • 関西  滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山
  • 中国  鳥取 島根 岡山 広島 山口
  • 四国  徳島 香川 愛媛 高知
  • 九州  福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄

五畿七道とは?

項目 説明
成立時期 不明(原型は天武天皇の時代とされる)
完成年 771年
行政区分 五畿(近畿地方を基本とする)と七道(その他の地方)
影響 東海、北陸、山陽、山陰など、地方名や道路、新幹線名に名残り
現在の使用状況 1885年以降、あまり使われていない
その他 国の新設や区割りの変更などを経て完成。中国の「道」に倣った。東北地方や武蔵国なども含む

日本で古くから分けられていた行政区画は五畿七道です。中国で使われていた行政区分である「道」にならって日本では、古代日本の律令制において五畿七道を用いるようになりました。

五畿七道が成立した時期は定かではありませんが、原型は天武天皇の時代ではないかと言われています。

東北の出羽国や陸奥国を東山道に編入したり、武蔵国を東山道から東海道に移管するなど、国の新設や区割りの変更などを経て、五畿七道が完成したのは771年でした。

その後、1000年以上五畿七道は使われていましたが、1885年以降はあまり使われなくなり、現在に至ります。

使われなくなっても東海や北陸、山陽、山陰など五畿七道に由来した地方名は多く、東海道新幹線、北陸自動車道、東海地震、南海トラフなど名称に五畿七道の名残は残っています。

いろいろあって面白い!

項目 説明
基本的な区分 8区分が基本。ただし、2つや3つにまとめる方法も存在する。
行政と民間 行政による区分と民間による区分があり、それぞれにいろいろな方法が存在する。
選挙 人口比を考慮して地域をまとめる場合や、東京のように独立する地域も存在する。
電力供給 供給地を考慮して、同じ県内でも違う電力会社が存在する場合がある。
JRの境駅 2つの会社が管轄している駅が存在する(境駅)。
中部地方 分け方が多様で、特に調べがいがある。

日本の区分は基本的には8区分ですが、その8区分をまとめて2つ、または3つに分ける方法もありますし、行政により、または民間によってそれぞれいろいろな分け方があることがわかりました。

日本を地理上で分けるだけでなく、選挙は人口比を考えてまとめる地域もあれば東京のように独立する地域もあれば、電力は供給する場所を考えて同じ県内でも違う電力会社になる場合があります。

またJRは境駅といって2つの会社が管轄している駅がある… 複雑ですが、面白いですね。特に中部地方などは分け方がたくさんありますから、調べていくと楽しいですよ。

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